アメリカに異変あり! ついに始まる「米国株ショック」に備えよ
巨象が薄氷を渡る矛盾だらけの米株高世界的な株高局面にひそむ「ワナ」
2月入り以降、年末年始の大荒れ相場がなかったことのように、世界的に淡々とした上昇相場が継続している。

上昇のドライバーとなっているのは主に米連邦準備制度(FRB)の金融政策スタンスのハト派転換と米中貿易交渉の進展期待であり、たしかに双方ともに株式市場にとってはポジティブな動きだ。
特に、世界の経済の中心である米国株の強さは、世界の中でも目を見張るものがある(下記図)。
前者は引き締め政策の停止による内需の喚起や、新興国の債務の金利負担の低下に寄与し、世界景気を底上げする可能性がある。
また、後者は期限が当初の3月から延長されて解決には至っていないが、トランプ大統領が言うように「合意に極めて近い」状態ならば通商障壁の緩和期待から世界の株式市場にとってはポジティブだ。
このように、マクロの大きな流れで見れば、基本的な方向性は「株高」である。
ただし、少し冷静に多角的にデータを眺めてみると、この上昇相場は非常に脆弱で、短期的には再び強烈な調整相場に襲われてもおかしくない状況にある。まさに、米国という巨象が、微妙なバランスを保ちながら薄い氷の上をなんとか前進しているに過ぎない。
米国株市場の「2つの矛盾」
そして、この状況を端的に表すものとして、米国株市場を取り巻く「2つの矛盾」について解説していきたい。大きく分ければ、現在の米国の株高の背景にある企業の業績と、景気についてである。
① 業績予想vs株価の矛盾について
まず、最もシンプルで分かりやすい矛盾からだ。足元、特に米国株について業績見通しと株価の間に大きな乖離が発生している。
下記図を見て頂ければ、それは一目瞭然だろう。