神社建築にモダニズム建築、そして自然風景との調和を見せる建物など、山陰は建築の宝庫だ。昔むかしに遡り、年代を追いながら現代まで、摩訶不思議な山陰建築の世界をめぐろう。

1100(?)年

投入堂

三徳山(899.6m)の断崖絶壁に建つ驚きの建築は、三徳山三佛寺の国宝に指定されている奥院、投入堂だ。修験道の開祖といわれる役行者が、法力でお堂を岩窟に投げ入れ建立したと伝わる謎多きお堂。国内最古の神社本殿形式の建物とされる。お堂まで700mほどある登山道には、木の根や岩をよじ登るなど険しい場所も。侮るなかれ。

竣工年:1100年頃とされるが定かではない
設計者:不詳
所在地:鳥取県東伯郡三朝町三徳1010

1907年

仁風閣

鳥取県の歴代藩主、池田家の別邸として造られたフレンチ・ルネッサンス様式を基調とした木造瓦葺2階建て。白亜の外観が美しく、瓦屋根には王冠の棟飾りや円形の換気窓が設けられ、優美な雰囲気。設計は、明治洋風建築の最高傑作と名高い赤坂離宮を手がけた宮廷建築の第一人者、片山東熊。

竣工年:1907年
設計者:片山東熊(1854~1917)
所在地:鳥取県鳥取市東町2-121

1958年

米子市公会堂

世界平和記念聖堂(広島県・1954)など重要建築に携わり数々の名誉ある賞を受賞した、20世紀の建築界の巨匠、村野藤吾による設計。全1120席を備え、コンサートなどさまざまなイベントを開催するこの多目的ホールの外観は、グランドピアノとブラジルの教会をイメージしたもの。村野が世界中の建築を見て回り、設計の前年に南米を旅して着想を得たという。上階にある客席部分が建物の東側にある広場に向かってせり出したダイナミックな建築物だ。

竣工年:1958年
設計者:村野藤吾(1891~1984)
所在地:鳥取県米子市角盤町2-61

1964年

東光園

皆生温泉にある、まるで上層部が浮いているように見えるホテル。設計は「建築も代謝する」として「メタボリズム」という建築思想を唱えた菊竹清訓。江戸東京博物館(1992)や大阪万博のエキスポタワー(1970)など都市のシンボルとなる施設を数多く手がけたモダニズム建築の第一人者だ。本来、重々しくなるはずの柱に意匠を加えることで建物に軽快さをもたらし、また、構造体を屋内外に露出させたデザインは高く評価されている。

竣工年:1964年
設計者:菊竹清訓(1928~2011)
所在地:鳥取県米子市皆生温泉3-17-7

1971年

鳥取県豪雪山村開発総合センタープラザ佐治

鳥取県の山村エリアに突如現れる、風格漂う建築。建物は「黎明の庭」を囲むように「く」の字形にデザインされ、広場を挟み込むようにして、反対側にも市の総合支所として機能する同様の形の建物が建つ。傾斜のかかった壁面は広場に光と開放感を与える。と同時に、打ちっ放しコンクリートの面に施された「く」の字形の模様とともに、周囲の山並みとリンクする形が面白い。※2019年8月まで改修工事を行う予定。

竣工年:1971年
設計者:安田臣建築設計事務所
所在地:鳥取県鳥取市佐治町加瀬木2519-3

1997年

夢みなとタワー

鳥取県境港市にある高さ43mのランドマークタワー。1997年に開催されたジャパンエキスポ’97鳥取「山陰・夢みなと博覧会」のシンボルタワーとして建てられ、総ガラス張りのタワー棟と、ドーム構造の低層棟から構成されている。タワー棟は、外からの支持なく自立し、どこにも中心をもたないという「テンセグリティ」構造を用いた建物としては世界一の高さを誇る。フレームに鳥取県産の杉材を使用していることにも注目だ。

竣工年:1997年
設計者:杉本洋文(1952~)
所在地:鳥取県境港市竹内団地255-3

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