今日、口にした食べ物や着ている服は、どのような人がつくり、どこからやってきたか知っていますか? そこに労働搾取や児童労働、環境破壊はないかと、ものの背景を知って買うことからはじめてみてください。といってもストイックになりすぎることなく楽しみながら。エシカルな買い物は、社会や環境に貢献できます。

ORGANIC BASEの野菜

在来種野菜セット(日野菜かぶ、赤紫さつまいも、黒田五寸人参、かわひこ里芋、万願寺とうがらし、人参菜、おたふく春菊、菊芋、大浦ごぼうなど)¥5000(金子商店/オーガニックベース) ※在庫があるときのみ販売


料理教室を生業としている〈オーガニックベース〉が、長崎県雲仙に拠点を移し、在来種の保存活動に力を入れるようになったのは、2012年のこと。自家採種を35年続けてきた岩崎さんという農家と出会い、人参の花が満開に咲く畑の美しい光景を見て、感動したことが決め手になった。

「現在、流通している野菜の多くは、早く成長し、多く収穫できるように人為的に作られた『F1種』。一代限りの消費が目的で種を取らないため、花はほとんど咲かせません。対して在来種などの固定種は、形やサイズがバラバラにはなるけれど、土地に適応しているため、肥料や農薬に頼りすぎずに育てることができる。ものすごい手間がかかるけれど、種の自家採取が可能なので、野菜本来の性質を次世代に継いでいくことができるんです。僕は子どもたちに野菜には花が咲き、種ができるということを見せたい」

自家採種というのは、現代の農業からしたら特殊な作業。そのため、意識の高い農家からは憧れられている岩崎さんも地元では異端とされてしまうし、作った在来種の野菜は東京のほうが売れる。

「種市を始めとしたイベントを開催するのは、各地で孤独な闘いをしている生産者たちが交流したり、飲食店の方々の反応を見たり、世間の人に在来種の存在を知らせるためでもあります。さらに今は、雲仙の在来種の野菜を流通させるために、本質的な素材を求めている飲食店とのイベントを企画していくつもり。在来種野菜が家庭に身近になるきっかけを提供できたらうれしいですね」

無茶々園の柑橘類

温州みかん3kg¥1550、レモン1kg¥650(無茶々園)


1974年、地域農業の未来を案じ、農薬などの化学物質を多用する柑橘栽培に疑問を持っていたみかん農家の後継者たちがはじめた無農薬栽培の実験園が〈無茶々園〉の始まり。栽培期間中に除草剤や化学肥料は使用しない。農薬の使用は最小限に抑える。病害虫の発生には、有機栽培で使用可能な天然物由来の農薬で対応する。というように、人にも自然にも無理のないことを栽培方針に、愛媛県明浜地域で80軒以上の農家が、さまざまな品種の柑橘作りを行っている。

ご意見をお聞かせください
FRaUでは、SDGsに関する意識調査アンケートと、2018年12月20日に発足した「FRaU×SDGsプロジェクト」の会員登録を実施中。回答された方には、今後開催予定のワークショップやパーティなどのお知らせ、SDGsの最新トピックスをメールでお送りします。


●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Shota Matsumoto, Toru Oshima(still) Text:Shiori Fujii Text&edit:Shoko Matsumoto