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東急電鉄が目指す新しいビジネスモデル「私鉄3.0」とは何か

次の100年でこう変わる
東浦 亮典 プロフィール

東急がこれから目指すもの

洗足、田園調布から多摩田園都市の開発へとそこで得た資金を繰り返し沿線に再投資して東急電鉄は大きくなりました。

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東急グループ企業もそれに伴って成長してきました。建設・設備を司る会社、不動産関連ビジネスの会社、流通部門を担う会社、お買い物などの決済機能を持つ会社、広告や情報発信で伸びた会社、沿線住民が求める生活サービスを提供する会社、身の回りや安全安心を守る会社など、実にさまざまな産業群が生まれました。

最近では住民のお宅まで御用聞きをするサービスや高齢化に対応した施設サービスをご提供する会社、さらには電気やガスを販売する会社まであります。

グループ経営と言いつつも、市場が拡大してきた時代には各社各様のやり方でやればそれぞれが成長できました。これからは都市も縮退し、マーケットもあまり拡大しない時代です。

東急グループは東急沿線の同じお客様を相手に商売をしているケースがほとんどです。それならばお客様のライフステージ、生活パターン、趣味嗜好に合わせて、どこの場面でもタイムリーにサービスを提供できるようになることが望ましいのではないでしょうか。

お客様のライフタイムバリューの中で貢献できる企業群にシフトしていかなくてはいけないのです。

 

新規顧客の開拓はもちろんですが、一度東急のサービスをご利用いただいて顧客になった方との良好な関係を維持するほうが、企業にとってはるかに効率的で、長期にわたり安定した収益をもたらしてくれます。

「ひとつの東急」とは、随分前から標語として掲げられてきた言葉ではありますが、真にお客様目線で東急がひとつになることが重要です。

東急グループは五島昇という偉大な経営者を失ってから暫く迷走しました。それでもバブル崩壊やリーマン・ショックなど、何度かあった経済の波を乗り越えてきたおかげで、企業体質もかつてと比べるとかなり筋肉質になってきたのではないかと思います。

以前は純血主義でしたが、いまでは多くの中途入社の社員も増え、各自の経験、能力を活かして東急グループの成長に貢献してくれています。特にこの10年は大きなまちづくりビジョンをグループ全体で共有しながら、経営資源を適切に管理して成長することができてきています。