歯学部・獣医学部でも実際にあった、口利きブローカーの話

どこまで広がっているのか…
原田 広幸 プロフィール

教員採用試験だって、口利きがまかり通っていた?

蛇足だが、私が大学院時代に、衆議院議員の私設秘書としてインターンを2年間経験していた20年以上前、地方公務員試験、教員採用試験にも、こういった口利きが存在していた。政治家の支援者や地元有力者の師弟が「陳情」という制度(これ自体は公式な制度である)を利用して、口利きを依頼してくるということが実際にあった。

今、教員志望の学生が、教育学部等を出て教員免許を取得しても、採用試験に合格できるとは限らない。教員採用試験の合格率は、全国平均で4倍程度であり、「免許はあるが就職できない」もしくは、「非常勤で食いつなぐしかない」教師志望者が多くいる。(https://www.kyobun.co.jp/rate/参照)

政治家の秘書時代に見聞きしたのは、こういった試験における口利きの「陳情」である。陳情の趣旨を履き違えているとしか言いようがないが、一番困るのは担当秘書である。

「そういうことは出来ない」ときっぱりと断ることができればいいのだが、有力な支援者からの依頼だと、断り方も難しい。お金の問題というよりも、支援者への義理の問題である。その後、政治家が実際に口利きをしたかどうかは、私は知らない。

 

大学入試と就職試験は、別物だ

医学部も、歯学部も、獣医学部も、「入試=就職試験」の意味合いが強い。だが職業に直結する大学であるからこそ尚更、教育基本法にある「教育の機会均等」の理念に則るべきだと私は思う。公平公正な試験をしているように装いながら、限られた職業の枠を「金で売る」ことを教育機関がしていいという話にはならない。

「女性医師ばかりが増えてしまうと困るから」という意見を未だに見かけるが、入試の問題と、職場の労働環境のあり方は、別の問題である。教育基本法第3条に「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」と書かれているように、差別のない試験のあり方を、確立してほしいと願う。

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