地方公共団体情報システム機構「マイナンバーカード総合サイト」より
# マイナンバー

利便性なきマイナンバーカードがデジタル・ガバメントの切り札とは…

政府と業者は失敗隠しに必死か

行政サービスの効率化は結構なことだが

首相官邸の大会議室で2月26日、経済財政諮問会議の今年3回目の会合が開かれた。1月から有識者(民間人)議員4人のうち学者2人が入れ替わり、竹森俊平・慶応大教授と柳川範之・東大教授が新たに就任。中西宏明・経団連会長と新浪剛史・サントリーホールディングス社長が留任した。

メンバーは現在11人で、議長を務める安倍晋三首相のほか、麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官、茂木敏充経済財政政策担当相、石田真敏総務相、世耕弘成経産省が内閣から加わっているほか、黒田東彦・日銀総裁もメンバー。経済や財政政策の司令塔として改革を主導する役割を担っている。

3回目の会合のテーマは「次世代型行政サービスへの改革」と「地域活性化」。議事要旨は原稿執筆時点ではまだ公開されていないが、会議に提出された資料を見て驚いた。経済財政諮問会議では、有識者議員が提出するいわゆる「民間議員ペーパー」というのが定番になっており、各省庁の抵抗が強い改革テーマなどを俎上に上げる際に多用されてきた。民間の発想で改革を進めるうえで、このペーパーの持つ力は大きい。

 

今回もこの民間議員ペーパーが出されたのだが、その中に驚くべき一文が滑り込ませてあった。

ペーパーのタイトルは「『次世代型行政サービス』への改革に向けて」。サブタイトルには「高い経済波及効果と質・効率の高い行財政改革の同時実現」とあり、民間議員4人の連名になっている。

文書の出だしはこうだ。

「行政サービスのデジタル化(デジタル・ガバメント)は、行政コストの引き下げを可能にするだけでなく、新たな民間ビジネスを活性化させる上で、重要な役割を果たす」

まさしく正論である。行政コストを引き下げ、行財政改革を行うために、デジタル化を進めるというのは当然のことだ。「利用者目線で、情報セキュリティの確保を前提としつつ、国と地方を合わせた行政の在り方そのものを見直し、デジタル化を早急に実現すべきである」としている。

では、具体的に何をやるべきだと言うのか。「デジタル・ガバメント実現の方策」として、あのマイナンバーが出てくる。

「マイナンバーカードは、デジタル・ガバメントの利便性を国民が実感する有効手段。その普及に向けて、健康保険証との一体化を着実に推進すべき(さらに、例えば、運転免許証や社員証との一体化)」と書かれている。ここだけやたらと具体的である。

「利便性を国民が実感する有効手段」ですと。マイナンバーカードをお持ちの方にお聞きしたい。利便性を実感したことがあるだろうか。マイナンバー自体の必要性については理解できる。だが、マイナンバーカードとなると本当に利便性が高いと言えるのか。

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