# 軽自動車

動力性能1.7倍、燃費もよくて価格が割安なターボエンジンに注目!

軽自動車のターボエンジンは特効薬だ
渡辺 陽一郎 プロフィール

軽自動車のターボエンジンは「特効薬」になる

ターボの発祥は航空機で、高度が上昇すると空気の密度が薄くなるため、十分な出力を得られない。そこでターボやスーパーチャージャーを装着して、過給(圧縮された空気をエンジンに供給すること)を行い、地上と同等の性能を発揮できるようにした。

「パワー不足を補う」という意味で、軽自動車のターボの使われ方は航空機に似ており、本来の用途ともいえるだろう。

そして軽自動車のターボエンジンは、性能がとても優れている。動力性能の向上率が大きく、燃費の悪化率は少ない。軽自動車にとって、ターボはパワー不足を解消する特効薬だ。

 

具体的に販売台数の最も多いN-BOXで見ていきたい。高速道路や登坂路を走る時に重要な性能は、最高出力ではなく最大トルクになる。ターボ車では、この数値を効果的に向上できる。

N-BOXの最大トルクは、過給器を備えないノーマルエンジンは6.6kg-m(4800回転)だが、ターボでは10.6kg-m(2600回転)に増える。ターボの最大トルクはノーマルエンジンの161%(1.6倍)だ。

しかもターボは発生回転数が2600回転と低い。軽自動車のギヤ比なら、発進直後には2600回転に達するから、走行中は常にターボが作動している。

N-BOXを運転しても、エンジン回転の上昇に連れて動力性能が高まるターボの特性をほとんど感じない。1Lのノーマルエンジンを積んでいるような感覚で運転できる。

ホンダN-BOX〔photo〕gettyimages

JC08モード燃費は、ノーマルエンジンが27km/L、ターボは25.6km/Lだ。ターボの燃費悪化率はわずか5%だから、最大トルクが161%に増えることを考えると効率がきわめて高い。

スペーシアの場合は、ノーマルエンジンの最大トルクが6.1kg-m(4000回転)にとどまり、ターボは10kg-m(3000回転)だから、ターボの数値はノーマルエンジンの164%だ。JC08モード燃費はノーマルエンジンが28.2km/L、ターボは25.6km/Lだから、燃費悪化率は約9%に収まる。

これも効率が高く、運転感覚も良好だ。ノーマルエンジンは登坂路に差し掛かるとパワー不足を感じるが、ターボであれば余裕を持って走れる。

そしてターボのメリットが最も顕著なのは、日産デイズルークス/三菱eKスペースだ。

〔photo〕gettyimages

この2車種は基本部分を共通化した姉妹車で、全高は1700mmを上まわり、後席側のドアはスライド式になる。N-BOXやスペーシアのライバル車に位置付けられる。

最大トルクはノーマルエンジンが6kg-m(5000回転)、ターボは10kg-m(3000回転)だから、ターボの数値はノーマルエンジンの167%だ。JC08モード燃費も注目され、ノーマルエンジンは22km/L、ターボは22.2km/Lになる。つまりターボの燃費が優れているのだ。

ほかの軽自動車にも当てはまることだが、排気量に対して車両重量が極端に重いから、ノーマルエンジンでは負荷が著しく増える。動力性能の不足を補うため、ギヤ比をローギヤード化してエンジン回転数を高めることもあり、燃費が悪化しやすい。

その点でターボは、排気量を拡大したのと同様の効果が得られるから、負荷の大きな軽自動車ではターボが燃費を向上させやすい。その結果、デイズルークス/eKスペースでは、ターボの燃費数値がノーマルエンジンを上まわった

編集部からのお知らせ!

関連記事