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衝撃! なぜアメリカでいま巨大銀行の「大再編」が始まったのか

全米6位の銀行誕生の背景とは
大槻 奈那, マネクリ プロフィール

今後一層加速する銀行統合劇

年末から、2019年は銀行統合の年になるのでは、といった予想はあった。

統合が活発化するという見方には、いくつかの理由がある。

まず、低金利による米地銀の収益低下と過当競争がある。現在米国では、5,477もの金融機関(銀行や共同組織金融機関等)がしのぎをけずっている。金利が上昇していくなら、自然体で収益を拡大することも可能だったろう。しかし、FRBの利上げペースは鈍化しそうだ。

格付会社も久々の企業デフォルトの増加を予想しており、米銀の収益環境は楽観視できない。

今回統合を決めた2行は、経費率が地銀の平均より高く(後掲図表3)、利益成長期待も低めだったため、規模のメリットが必要だったと思われる。両行ともに東海岸南部を中心に店舗展開しており、統合で支店網を整理すればコストが削減できるとみられる。

また、小規模銀行に続き、大規模金融機関に対しても規制が緩和されるのではと予想されている。現在大規模銀行は、厳しい資本規制や業務規制を受けることから、統合で大きくなると「規模の不経済」が生じるが、これが緩和されるという期待感も大規模な統合を後押ししている。

さらに、(今回は株式交換であるのでその限りではないが)トランプ減税で得られた余剰資金が買収資金として使われるのではという見方もある。

 

注目の動き

政策金利上昇ペースの減速が予想されるなか、米銀の経営環境は従来の想定より厳しくなりそうだ。では、どのような銀行が統合を考えるだろうか。

ピンポイントで予想するのは難しいが、経費率が高めで、PER、 PBR等の株価指標が低かったり、資本がやや少なめの地銀は注目に値する。

昨年末にかけての金利低下で、米地銀株は総じて振るわなかった。既に年初来二桁上昇となっているが、統合の思惑が米地銀株全体を更に押し上げるだろう。

米国の金融セクターに投資するには米国上場ETFバンガード・米国金融セクターETF(VFH)や金融セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)が選択肢の1つとなるだろう。

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