# 中国経済

衝撃! なぜいま中国で「財産をすべて失う人」が急増しているのか

次のターゲットは日本人
姫田 小夏 プロフィール

借金を抱えた中国人が急増

「P2P」とは「資金を必要とする個人」と「提供できる個人」を結ぶプラットフォームであることは上述したが、驚いたことに36%を超える高金利でも中国にはP2Pから資金を借りる人々が存在する。

借り手は主に零細事業者や個人だが、個人については、賭博の借金、カード返済の残高不足や自宅の内装費(中国の住宅はスケルトンで引き渡しを行うため)などに充てるための火急の需要が多いようだ。

ちなみに、中国では「借金を抱えた家庭」が増えている。

清華大学の調査によれば、不動産や車など中長期の借り入れの伸びが鈍化しているのに対し、短期の消費者金融が急上昇しているという。中国人民銀行の統計によれば、2018年の短期の借入は前年比2兆4100億元の増加で、2009年(7500億元)来初めての2兆元の大台突破となった。かつて、中国は世界で最も貯蓄率が高い国の1つだったが、2016年以降、「借金の増加」が「貯蓄の増加」を上回るようになった。

さて、P2Pで資金を借りた中には、内心この“粛清の嵐”を喜ぶ人たちがいる。脅迫電話もかかって来なければ、近所の嘲笑をかうような派手な取り立てからも解放されるからだ。P2Pがなくなれば、もう返さなくていいってことよね――。そんなコメントがネット上で飛び交う。

P2Pは民衆を騙してけしからん、と思うだろうが、P2Pの足元を見透かす借り手もいる。登録会員もいなければ実績もない新興のP2Pは、「優待券プレゼント」「利子を補填します」「お小遣い差し上げます」などの金銭バラマキ作戦によって新規の借り手を増やそうとするが、さらにその水面下では、ニセの携帯番号で会員登録して「現金」や「景品」を手に入れる“したたかな借り手”が蠢いている。

中には、集めた景品を収納するための蔵まで建てた人もいるというからすさまじい。そして挙句の果てには「誰がこの会社を支えたと思ってんの(アタシがニセ登録で会員を増やしてあげたんでしょ)」――と開き直る。騙すP2Pをさらに手玉に取る中国の民衆はある意味でたくましいとも言える。

 

最後のババを引くのはだれだ

筆者の友人は長年、「理財商品」に熱心だった。だが、昨年10月で「足を洗った」のだそうだ。それでもなお、友人の通信アプリ「ウィーチャット」には、営業マンの理財勧誘が以前にも増して着信するという。最後に残った“ババ”を引かせようと、彼らも必死なのだ。

筆者のもとには、日本人の初老の男性から「中国人からこんな財テク商品を紹介されました」というメールが届いた。

資料を見れば怪しげな日本語が躍る。

だが、定期預金金利ですら0.05%程度の日本からみれば狂喜乱舞するような高利息だ。グラッと来てもおかしくはない。

勧誘ターゲットが日本人にまで広がりを見せるのは、中国不景気のいつものパターン。どうかこの日本人が“最後のババ”をつかまないようにと、祈るような心境だ。