恋愛結婚は見合い結婚より幸福か…?行動経済学的視点で考えてみた

人それぞれではあるけれど
大原 浩 プロフィール

東洋人は社会的、アングロサクソンは個人主義?

オランダの社会心理学者、ヘールト・ホフステードのこんな研究がある。

彼はIBMの全世界で働く従業員を対象に、個人主義の度合いを調査した。各国の個人主義(社会の要請に従うのではなく、自分自身の判断で物事を決める)のスコアは次の通り(100点満点)である。

米国 91点
オーストラリア 90点
英国 89点
西ヨーロッパ諸国の大部分は 60点から80点
ロシア 39点
中国を含むアジア諸国は20点台
日本 46点
インド 48点
中南米諸国はおおむね10点~40点

読者の各国における集団主義と個人主義のイメージから言えば、妥当な結果では無いだろうか?

また、別の実験では、米国在住のアングロサクソン系の子供たちが、自分自身で選択した時に最大の成果を出すのに対して、アジア系の子供たちは母親が選択した時に、最も頑張って成果を出すという報告もなされている。

つまり、アジア社会では個人の選択よりも集団の選択が重視される傾向にあり、それが社会の安定という良い結果をもたらしている側面がある。また、欧米でも社会が成熟し高齢化すると集団主義的傾向が強まる傾向があると報告されている。

現在、先進国で全体主義(集団主義)的傾向が強まっているのも、このような世界的な高齢化と関係があるのかもしれない。

なお、筆者は日本人でありながら欧米的個人主義の典型例である。ただし、歳を重ねるごとに集団主義的傾向が顕著に現れているのは自覚している。

また、「自由の国」と呼ばれる国で暮らす米国人の大多数が極めて宗教的であり、何らかの形で行動を禁止、強制する宗教上の規範を守っている。かつての「禁酒法運動」のようにむしろ自由の国の米国人が戒律にこだわっているというのは見逃せない事実である。

「何をしてもかまわない自由」を心から享受できる人は実は少なく、むしろある程度だれか(または神)に行動を指示してほしいというのが多くの人々の偽らざる本音かもしれない。

 

自分で選択することと他人に任せること

そもそも、朝、目覚ましをいつ止めるのかから始まって、夜、翌朝の目覚ましを何時にセットするのかに至るまで、人間の人生には無限といえるほどの選択が存在する。だからすべての物事をその都度自分で決めるなどというのは土台不可能だ。

また、重要な判断に専門家のアドバイスを受けるのはごく普通であり、すべての判断を専門家にゆだねることも多い。

いちばん読者のことを親身に考え、読者よりも人生経験(当然結婚経験も……)の豊富な結婚の専門家である両親や親族の意見を受け入れることは、決して不合理とは言えないと考える。

もっとも、筆者がもう一度、ファウストのように若者に戻れたとしたら、やはり自分で結婚相手を決めると思うが……。

★主要参考文献:シーナ・アイエンガー「選択の科学-コロンビア大学ビジネススクール特別講義」、文芸春秋