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婚活アプリの「ニセ独身プロフ」は罪に問われるか?弁護士の見解

ポイントはやっぱりココだった
野島 梨恵 プロフィール

相手が「サクラ」だったら?

このように、婚活サイトに関する例は、女性が男性に騙されたケースが多いが、もちろん男性だって騙される。男女問わず騙されるもの、それが、出会い系サイトの「サクラ」である。

いわゆる「出会い系サイト」にはユーザーのふりをした業者であるサクラがいる。出会い系サイトで「女性」(実際にはサクラバイト)と知り合い、メッセージをするなど、さんざん課金制のポイントを使う。男性は大金をはたいて、やっと会う約束を取り付ける。ところが、待ち合わせの場所には誰も来ない……。

〔PHOTO〕iStock

一度こういう目にあって懲りればいいのに、「今度こそは会えるのではないか」と思って、メッセージを続けたり、あるいは、「違う出会い系サイトに乗り換えれば、会えるのではないか」と思って、さらに金を使い続ける。その結果、ありとあらゆるサラ金から金を借り、破産に至る、という事案は現にある。

この場合、サイト運営会社は民事では不法行為責任を問われ得る。では、刑事では詐欺罪に問われ得るか。現行法上、詐欺罪の主体は自然人のみである。会社=法人は、詐欺罪の犯人たりえない。つまり、サイト運営会社自体を詐欺の犯人として告訴することはできないが、経営者やサクラバイトはその「ウソ」、つまり騙す行為によって、サイト利用料など「財物や財産上の利益」の交付を得ている場合、詐欺罪で逮捕され得ることになる

 

キャバ嬢に贈ったものは返ってくる?

最後に、古今東西、男性が常に騙されやすいもの。それはキャバクラ嬢やホステスなど、いわゆる水商売の女性たちである。

水商売の女性と親密になる。デートを重ねる。付き合ったつもりになり、有頂天になってブランド品を贈ったり、高価な店で食事をする。しかし、女性には別に「本命の彼氏」がいたり、あるいは、ダンナがいたりして、関係は一瞬で終わってしまう……。

こういうときに、「詐欺だ」「贈ったものを返せ」「使ったカネを返せ」と怒る男性がいるが、それは野暮なだけではなく、法的にも難しい。そもそもその行為が詐欺に当たり得るのかどうか、という法的評価の問題もあるが、それ以前に、男性が相手の女性の住所も本名も知らないことが多いからだ。

もちろん弁護士であれば、携帯電話の番号から契約者の住所氏名を調べられるが、携帯電話が他人名義の場合には、この手を使って女性の住所を知ることはできない。本名も住所もわからなければ、請求のしようもないのだ。

色恋だけでもオトコとオンナはややこしいのに、それにカネとウソが絡むと、話はますますややこしい。馬鹿に鋏を使わせるな、と昔から言うが、恋する者に金を使わせてはならないのだ。恋もカネも、いっぺんに失うことになるだろう。