# ビジネススキル

クールビズ全盛の今、私があえて「ネクタイ」を締める理由

「逆張り」で人の心をつかむ
長谷川 高 プロフィール

今だからこそ「接待」をする

時代は変わって、現在は接待そのものを行う風潮がなくなり、夜の街も寂しくなりました。これは、不景気が長く続いたために、「どうせ接待をしてもそれに見合う仕事をもらえるわけではない」といった基本的な考えが企業側にあるのだと思います。

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また今の若い世代の人たちには、そもそも接待に行くよりは早く家に帰ってゆっくりしたいといった本音もあるのでしょう。

すると、やはりあまのじゃくな私は、周りがほとんどやっていないから逆に今やることに意味があるのでは、といった考えにいたるのです。

とはいえ昔のように、ただ高いだけの銀座の寿司屋で軽く食べて、その後高級クラブに行くといった典型的な接待をするのは、今やナンセンスなのかもしれません。

しかし、接待的なものがほとんど行われない今だからこそ、思わぬ効果を発揮することがあると思うのです。

たとえば、私は最近、今までとは異なる接待を実際に行いました。非常にお世話になっているお客さまや取引先を一人ひとり接待したのですが、実際私自身は同行しなかったのです。知り合いが経営するフランス料理店と話をつけ、特別にフルコースのペアチケットを発行してもらいました。

私と相対で飲むよりも、奥さんなどと非日常的な空間でおいしい料理をゆったり楽しんでいただくほうが、お客さまにより喜んでいただけるのではないかと思ったのです。結果的に皆さんにたいへん喜んでいただきました。

 

これは相手の方だけでなく、相手のパートナーの方も接待していることになり、二重の接待ともいえます。

また、お世話になっている方に感謝を伝えるのに、お中元やお歳暮という慣習もあります。しかし、毎度変わらぬ缶ビールを贈るのも悪くはありませんが、正直、相手にとって特別感がないのも事実です。

毎回深く考えも選びもせずにビールを贈る程度の関係なら、贈らなくてもよいのではないかと私は思います。こちらが「今年もビールでいいか」という思いだけであれば、相手も「またビールか」という思いだけで終わるのです。

こういった贈答も含めて、儀礼的なものは今はだんだん廃れてきているのが現状です。

だからこそ逆に、相手の趣味嗜好をよく考え、一人ひとり、1社1社に対して、いったい何を贈ったらほんとうに喜んでもらえるだろうか、どういった接待をしたら感激してもらえるだろうか、と考えることは、決してムダではありません。

今は、接待にもいろいろあっていいと思います。たとえば石和温泉1泊のゴルフ接待よりも、先方のご家族を誘ってのキャンプ接待などいかがでしょうか?

キャバクラやクラブに行くのもいいですが、事前に相手の趣味嗜好をよく聞いて、ジャズやクラシックの演奏会に誘ったり、ペアチケットを渡すのもいいでしょう。そんなことをわざわざやっている人は限りなく少ないはずです。

だからこそ、逆に接待するのです。