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クールビズ全盛の今、私があえて「ネクタイ」を締める理由

「逆張り」で人の心をつかむ
長谷川 高 プロフィール

靴を見ればその人がわかる

もう一つ、着るものと同時に重要なものは、「靴」です。

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もう20年以上前ですが、不動産バブルという時代がありました。日本全国どこも景気が良く、とくに東京では毎夜盛り場に人があふれていました。

その当時は、夜10時を過ぎた頃に道端でタクシーを止めることは不可能でしたし、タクシーによる乗車拒否も日常的でした。

あるとき、運よくタクシーをつかまえて乗車したとき、「どこに行くかもわからない客を乗車前にどうやって選んでいるんですか?」と尋ねました。すると運転手は「靴」だと答えました。

「靴の良し悪しでだいたい懐具合がわかる。六本木で乗車して渋谷駅まで行ってくれという客なのか、郊外の高級住宅街にある家まで行ってくれ(つまり長距離)という客なのか、おおよそ判断できる」というのです。

同じようなことを、銀座のママさんたちもいっていました。要は、靴を見ればツケ払いを後にしっかり清算してくれる人かどうかだいたいわかるというのです。どんなに上等なスーツを着ていても、靴がぼろぼろの人は、ツケをため込んで最悪の場合払わないで、さようならしてしまうケースが多々あるそうです。

私もそうですが、一生懸命お洒落をしようとしても、スーツにはお金をかけられても、靴まではなかなか予算が回らない可能性がある、というわけです。

 

ここで再度、逆張り的発想をするならば、靴から上質なものを買っていくのも良い考えです。皆さんもデートをするとき、相手の靴を見るようになるでしょう。いや、読者の方が女性なら、すでにじっと見ているかもしれませんね。

私の会社がある赤坂は、かつては多くの高級クラブやスナックがありました。しかし、現在、大人の夜の街としての赤坂は壊滅的な状況です。程度の差こそあれ、同じことが銀座や六本木でも起きています。

今の世の中、接待をすること自体が減りました。大手ゼネコンでさえも一定額以上の経費を接待に使えるのは、ごく少数の役員だけだそうです。課長クラスではせいぜいお客さんと居酒屋へ行く程度の経費しか出ないようです。

私もサラリーマン時代は、銀座に会社があったので、取引先の不動産会社の社長やゼネコン、設計事務所といった取引先から夜8時頃になると毎晩のように電話がかかってきました。毎回応じているととても体がもちません。それでも週に2~3回は高級クラブで接待を受けていましたし、そんな状況は何年か続きました。

私が勤めていた会社はデベロッパーで、施主=事業主の立場でしたので、どちらかといえば接待を受ける側であり、平社員の私もその恩恵にあずかったわけです。