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# ビジネススキル

クールビズ全盛の今、私があえて「ネクタイ」を締める理由

「逆張り」で人の心をつかむ
「人の行く 裏に道あり 花の山」。多くの人とは違った考え方で行動すること、つまり「逆張り」の大切さを説いた、投資の世界で有名な格言だ。不動産コンサルタントで、著書『厳しい時代を生き抜くための逆張り的投資術』がある長谷川高氏は、クールビズ全盛の今、あえて真夏にネクタイを締めているという。その真意について、詳しく教えてもらった。

「逆張り」で発想しよう

少し冗談っぽいですが、私は真夏にネクタイをするのが嫌でサラリーマンをやめたといってもいいかもしれません。サラリーマン時代、この高温多湿の日本において真夏にネクタイをするのは、「修行僧のようだ」と思っていました。

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ところが現在は、クールビズが流行り、銀行や官庁も含め多くの企業で、夏にはネクタイをしなくてよくなりました。ほんとうに喜ばしいことだと感じます。

しかし、同時にあまのじゃくな私は、これだけどこに行ってもネクタイをしていない人ばかりなのだから、「私がネクタイをすればいろいろな意味で目立つな」と思うわけです。

私は普段、決して服装に気を遣っているほうではありません。

しかしながら、皆さんの前で講演をする機会が年々増えてきており、また、弊社の顧客層の中心はある意味富裕層といわれる方々です。

あるとき本を読んでいたら、「何だかんだいっても人間は見た目が大事。詐欺師だって本物に見えるように精一杯良い服を着て、がんばっている。だから何者でもない人が、着るものに注意を向けず、自分は中身が一流なのだからこれでいいのだなんていっているのは残念ながら大きな勘違いだ」といったことが書いてありました。

「あ! これは自分のことだな」と感じました。自分は経済産業省の事務次官でもなければ、一部上場企業の社長でもないし、東大の教授でもないわけです。結局世間的には何者でもない。ですから私のレベルでは、詐欺師同様に、服装に気を配るべきだと感じました。

それ以来私は、お客さまと会うときや講演等を行うときは、なるべく高いスーツを着て、真夏でもしっかりとネクタイをするようにしています。

 

自分でそうしてみてあらためて感じるのは、残念ながら「人は他人を見た目で判断する」ということです。どんなに高い能力を持ち、崇高で誠実な心を持っていたとしても、ぼろぼろの服を着ていては、相手にはその見た目で判断されてしまうのです。

これは残念ながら当たり前で、相手は自分の親戚でもなければ親でもきょうだいでもありません。「心の中まで見てくれ」というほうが無理なのです。

ですから、いわゆる誰もが知っているような超一流の人以外は、やはり身なりに気を使うべきでしょう。昔から「馬子にも衣装」という良いことわざが日本にはありますし……。

極論ですが、たとえば、孫正義さんやイチローさん、松井秀喜さん、矢沢永吉さんが雑誌のインタビューを受けるときに、Tシャツと短パンで現れても、誰も文句はいわないでしょうし、逆に「さすがだな。あのTシャツは10万ぐらいするものじゃないか?」となるでしょう。

しかし、何者でもない人が同じ格好で現れたら、「相手に対して敬意がない」となるわけです。

何を着てどのような格好で行くかは、「相手に対する敬意の表れ」ともいえます。

私はそこに気づいてからは、たとえ居酒屋での飲み会であっても、尊敬する相手であれば、講演のときと同じように自分の持っている服の中で一番良いスーツを着ていくように心がけています。こういった心意気は、きっと相手にも伝わるのではないかと思います。