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東急電鉄がひそかに注目!人気の「五目大(ごもくだい)」エリアとは?

これから住むならこの街だ
東横線、田園都市線をはじめ、「住みたい路線」アンケートでつねに上位にランクインしている東急電鉄。同社の現役執行役員、東浦亮典氏は、著書『私鉄3.0』(ワニブックス刊)で、東急の人気の秘密とその未来について、分析および提言を行なっている。中でもいま注目されているのが、「五目大(ごもくだい)」と呼ばれる五反田・目黒・大井町エリアだ。今後、これらの街はどうなっていくのか? 東浦氏が展望を語った。

ベンチャーが集まる五反田

田園都市線は田畑山林原野を切り拓いて鉄道敷設しましたので、計画当初から極力線路と道路が平面交差する箇所がないように設計されました。1989年に田奈1号踏切を廃止して立体化したことにより、ついに田園都市線の踏切はなくなりました。

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現在、田園都市線はじめ東横線、大井町線でも転落事故防止のためのホームドアを2019年度中に全駅で設置することを目指していますので、鉄道の安全性については今後飛躍的に向上していくことになるでしょう。

ただ、残された大きな鉄道の課題は混雑解消問題です。都心に乗り入れる私鉄、地下鉄は必ず通勤ラッシュの問題を抱えています。東急の中でも特に田園都市線は混みますし、残念ながら2017年度のデータでも池尻大橋~渋谷間は185%という混雑率となっており、混雑ランキングのワースト10以内に入ってしまっています。

鉄道部門もラッシュ時の混雑緩和のために涙ぐましい努力をしています。鉄道の車両編成の長大化はもちろんのこと、効率的運行のためのダイヤ改編や少しでも乗車されるお客様を分散するための「早起きキャンペーン」など。

他社との相互乗り入れをしているため、東急側だけの理由で混雑や遅延が起こるわけではありません。他社路線が原因で混雑、遅延が生じることもあります。

目的地まで乗り換えなしで行けるのが相互直通運転のメリットですが、遅延発生時に回復運転がしにくいのがデメリットです。

 

「痛勤」は誰でも嫌なものです。それゆえ、国レベルの「働き方改革」の流れもあって、職住近接モデルが注目されていますし、東急もその実現のためにさまざまな施策を打っていきます。

現在、東急が注目しているのは、私たちが「五目大」と呼ぶ五反田・目黒・大井町エリアです。

特に五反田は近年、中小ベンチャー企業が数多く拠点を置き、最近では渋谷のビットバレーをまねして、「五反田バレー」と自らネーミングして地域の活性化を図っています。渋谷エリアのオフィス賃料水準は旺盛な需要により高くなってきていますが、五反田エリアの賃料はまだ比較的安めなのも人気の秘密です。

隣の大崎地区がこの30年来の大規模再開発事業によって大きなオフィスビルやマンションが林立するようになったことや、新幹線停車駅でもある品川駅にも近いということで、その利便性や職住近接性が評価されてきたのだと思います。

ベンチャー企業やIT企業が今後もどんどん集まることで、技術と人材が集積し、街としての大きな発展が見込める地域となりつつあります。

目黒も大井町も東急系の施設や開発拠点は少ないのですが、利便性や職住近接性は五反田には劣っていませんし、街全体にまだ開発の余地があります。