教育費を「聖域」にしない
プレゼンテーションは、本人だけでなく家族全員がいろんなことを考える場となりますから、どんどんやりましょう。

前回のプレゼンでは説得できなかったけれど、どうしても欲しいから、もう一度、ということもあるでしょう。
一方、兄弟がいる場合、兄弟で使うから、とか、いつか自分も使うから、と協働してプレゼンしたりすることもあるでしょう。新しいルールをみんなで決める必要が出てくることもあるかもしれません。
経営会議のタイミングはいつがよいか?
お金の行き先に余裕のある、毎月の給料日の週末に、というのが理想的でしょうけれど、毎月開くのはちょっと難しいという場合でも、年に2回、夏と冬のボーナス前に「経営会議」は開きたいものです。
それ以外の時期は、必要な人が必要なタイミングで招集する、という形でも、家族のニーズに合わせて開催すれば良いと思います。そのうちに「欲しいものプレゼン」だって、夕食を囲みながら、と自然な形で日常生活のなかに入ってきます。
さて、子どものための教育費はできる限り手厚くしたいのが親心というもの。
つい際限なく、無理をしてでも投入してしまいがちなのが教育費ですが、ひとこと。
「教育費」を「家計の聖域」にしてはいけません。
家計でもっともふくらみがちなのは、低所得層では食費、中程度の家庭では教育費と言われます。そのために「聖域」とも言われる教育にかけるお金も、ライフプランの作成とともに再考することが大切です。
私は銀行マンとして、教育ローンや奨学金の返済で家計がさらにひっ迫し、苦しむご家庭を多く見てきました。
だからこそ、早めのライフプラン作成や家族の経営会議で教育費についても話し合ってください。
「貯金がこれしかないなら、おれは地元の国公立に行くしか高校や大学進学の道はないなあ」
「塾に通うお金は厳しそうだ。まずは授業に集中してがんばるしかない」
気づいた子どもは猛烈に勉強しますよ。
わが家では、小学生のころからふたりの息子にはこう伝えていました。
「中学までは公立しか通わせないよ。高校からは必要なら私立も考えてもいいけれど、それには相応の理由がいるよ」
「相応の理由」にはもちろん「学力が足りない」というのは含まれません。甲子園に出たいから、附属の音大に進みたいから、というような「将来をみすえた理由」しか受けつけません、とも伝えていました。子どもたちも私が本気でそう言っていることを肌で感じていたようです。