「ブログや twitterで宣伝してくれたら、ドリンク1杯無料」とか思いついた方がいたら、それは間違いです。正確に言うと、マクドナルドくらいの大企業で、商品をだいたいみんな知っている会社ならアリだと思いますが、「しょぼい起業」程度の知名度で「宣伝してくれたら無料」なんてやっても、正直効果が薄いんです。
「お客さんに好き勝手宣伝してもらう」「twitterで勝手に店の宣伝をしてくれた人がいたらRT(リツイート)してあげる」が正解です。
こちらから何かを押しつける型の宣伝は、労力やお金がかかるだけで、たいした効果は出ません。早い話が、いいお店を作っていたら、お客さんが勝手に宣伝してくれるのです。
そもそも広告とは何を目的にするかといえば、仕事が来ることです。バーであれば、「お客さんが来ること」になります。バーにとっていちばん効果が高い広告は「来てくれそうな人に直接宣伝して来てもらうこと」です。
今でこそ各地に支店ができ、遠くからわざわざ訪ねて来てくれる人も多い私のバーですが、本来の商圏はせいぜい店から徒歩圏内でしょう。しかも、周りになんの店もないただの住宅街ですから、主たるターゲットは近所の人です。
ということは、店の近くに住んでいる呑兵衛のおじさんと仲良くなって、「こんな店やってるんですよ、今度遊びに来てください」というのがもっとも効果が高い宣伝ということになります。
そういうおじさんは、たいがい近所に飲み友達がいますし、行きつけのスナックがあったりして、そこのお客さんをみんな引き連れて来てくれたりします。
そのおじさんたちに頭を下げて、「また遊びに来てくださいよー」なんて言うと、今度はそのおじさんたちが、「こないだいい店見つけたんだよ、ちょっと行ってみようよ」なんて言って来てくれたりするので、どんどんお客さんが増えていくことになります。
極端に言うと、自分がかいた汗のぶんだけ、自分が下げた頭のぶんだけ広告になるわけです。つまり、広告宣伝費がないから開業できないというのは、とてもナンセンスです。広告宣伝費は、あなたの足や愛想でまかなうものなのです。