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定年後何年もつか…あなたの「預金寿命」の計算方法、教えます

寿命より早く底をつくと大変なことに

定年後、再雇用も終えた。だが、悠々自適な余生を送れるほど現実は甘くない。20年後には、寿命より先に預金が底をつく未来が待ち受ける。人生は続くのにおカネがない地獄を回避するコツを学ぼう。

あと5年で預金がゼロに

「今、預金残高が500万円を切り、生活が立ち行かなくなる不安を感じています。
月約13万円の年金だけでは足りず、毎年100万円近くを預金から引き出しています。つまり、あと5年生きれば私の預金は底をつくのです」

東京都在住の堀江律夫氏(75歳・仮名)は老後の人生設計を甘く見たことを後悔していた。1年前に年上の妻を肺がんで亡くし、子ども夫婦も自分たちの暮らしで精一杯。

年に一度の楽しみだった高校の同窓会も、会費の1万円が惜しくて昨年は参加を見送った。

「家事も家計も妻にまかせっきりでした。今は17時以降に3割引きになるスーパーの弁当ばかりを食べています。80歳を超えたとしても、その先はどうやって生きていけばいいものか……」

日本人男性の平均寿命は約81歳だ。堀江氏も、ちょうど預金が底をつく80歳で寿命を迎えればなんの問題もない。

だが、堀江氏はこの平均寿命の81歳よりも長く生きる可能性が高い。75歳男性の平均余命(その年齢から生きる年数)は、約12年あるからだ。堀江氏が今の生活を続ければ、5年で預金がゼロになり、その先7年は預金なしで生きることになる。

 

人生まだ先は長いのに預金がない、という事態に陥らないためには、どれくらいのおカネを用意するべきなのか。

「1億円で安心老後」、「老後は夫婦で5000万円必要」など、雑誌や新聞の記事では老後のために莫大な資産を用意するべきと主張する見出しが躍る。

実際、生命保険文化センターのアンケートによると、老後にゆとりある生活をするためには月約35万円が必要で、60歳から85歳まで生きれば1億円を超えるおカネがかかってしまう。

だが、本当にこれだけのおカネを用意しなければならないのか。それを知るためには、今ある預金で何年生きられるかを計算する必要がある。

本誌はこれを「預金寿命」と名付け、その計算方法を下の表にまとめた。

さっそく、今のあなたの預金寿命を計算してみよう。必要なのは、夫婦の預金総額と、毎月の生活費の赤字(表の①)、特別費(表の②)だ。

再雇用が終了した夫(65歳)と専業主婦の妻(63歳)からなるA家を例に説明していく。家は持ち家で、子ども2人は独立している。

まず把握しなければいけないのは、夫婦の預金総額だ。A家の場合、夫婦合わせた預貯金は3000万円ある。内訳は、老後資金として用意していた1000万円と、退職金2000万円だ。

次に、月の生活費-月額の年金受給額(毎月の生活費の赤字)を把握しよう。一般的な老後の家計では、月の生活費が月額の年金受給額を上回るはずだ。'17年の家計調査報告によれば、高齢者世帯の家計は、毎月5万4519円の赤字である。