旅行作家が教える、海外が数倍楽しくなる「ホテル選びの鉄則」

吉田友和の手ごろに世界旅②

安くても、立地が悪いホテルには泊まらない

生まれて初めて泊まった海外の宿は、部屋に風呂もトイレもないようなところだった。暑い国なのにエアコンさえ付いておらず、天井のファンが掻き回す生ぬるい空気が部屋に充満していたことを覚えている。もっとも、一泊あたり数百円の安宿だから文句は言えない。いわゆるバックパッカーの節約旅だった。

そんな原体験を持つせいか、泊まる場所に関しては正直なところあまり強いこだわりはない。価格に設備のクオリティが見合っていればそれで良しとしてきた。

どうせ寝に帰るだけだから……と、適当に済ませることも多かったりする。世の中には素敵なホテルに泊まることを目的に海外旅行をするという人もいるが、僕自身はそういうタイプではない。

 

とはいえ、旅には年齢相応のスタイルがあるのも事実。さすがにいまではもうシャワーも出ないような安宿に泊まることはない。ときには五つ星の高級ホテルを選ぶこともある。ピンからキリまであちこち泊まり歩いてきた中で、自分なりに確立したホテル選びの鉄則のようなものを今回は紹介してみたい。

ホテルを決める際には、自分が何を優先するかを明確にすると上手くいく。価格なのか、部屋のグレードなのか。あるいは、食事が美味しいかどうかなども基準になるだろうか。

自分の場合、ホテル選びで重要視している条件はズバリ立地だ。とくに週末海外などの短期旅行では、旅の拠点をどこに構えるかは大きな問題である。

やはり、街をアクティブに動き回るうえで便利な場所がいい。都市部ならターミナル駅や、複数の地下鉄路線が乗り入れている駅が最寄りのところ。地方でもお目当ての観光地にアクセスしやすい宿がベストだ。

ホテルが近いというだけで、いいことだらけである。忘れ物をしてもすぐに取りに戻れるし、土産物を買いすぎてもいったん置きに帰ったりできる。何より、移動時間を短縮できるのが大きい。

以前にアジア某国のパッケージツアーに参加したときのこと。目玉が飛び出るほどの激安ツアーだったから施設そのものには期待していなかったが、連れて行かれたホテルが街の中心部から遠く離れた場所にあって途方に暮れそうになった。

日本を深夜に出発して、現地には早朝到着。その翌日には帰国するというただでさえ忙しないスケジュールだったが、ホテルが遠いせいで移動に無駄な時間ばかり取られ不満が募った。

安かろう悪かろうの典型例なのだが、その旅で得た教訓としては、ホテルの立地は何よりも重要ということだった。