働き方改革の4つの基本ステップ

では、彼らは一体どのような取り組みを行ったのか。
働き方改革を進めるには、4つの基本ステップがある。すなわち、①現状を把握する(朝メール・夜メールの実施)、②課題抽出(朝メール・夜メールの振り返り)、③カエル会議(要因分析)、④解決策の実施(アクションシートでの進捗管理)だ。④まで進んだらまた①に戻り、振り返りを繰り返していく。

各ステップの詳細を紹介しよう。

①    現状を把握する(朝メール・夜メールの実施)

最初に行うのは、自分の働き方を見つめ直すために毎日の仕事を記録することだ。「なんとなく忙しい」「いつも時間が足りない」などと漠然と感じている原因を探り、働き方を“見える化”していく。

私たちがツールとして使っているのは、出社後の「朝メール」と終業後の「夜メール」。朝メールには、一日の作業を15〜30分単位で書き出し、「本日の優先順位」「特記すべきコメント」を付け加えておく。このメールを、上司を含むチーム全員に発信し、共有する。夜メールは、終業後に当日の業務を振り返り、「時間見積もりと実際にかかった時間の差異」「時間の使い方のよかった点と反省点」などを朝メールに追記して、全員に共有する。

これらを共有すると、他メンバーが、どこで何をしているのかが分かるようになるだけでなく、緊急事態、突発事故などに対する対処法を、チーム全体のノウハウとして共有できるほか、他メンバーのメールに対し、応援や共感のメッセージを送ることで、チーム内のコミュニケーションが増加し、助け合って仕事をする空気が生まれる。

②    課題抽出(朝メール・夜メールの振り返り)

また、朝メール・夜メールは、課題を発見することにも活用できる。具体的には、「メンバー一人一人が、自分の「働き方」を“見える化”して、改善すべきポイントを把握すること」そして「チーム全体の「働き方を集計・分析」して「チームの課題を明確にし、具体的な解決策をディスカッションできるようにすること」の2点だ。一定期間にわたって、全メンバーが記録したメールを集計・分析すると、「どの仕事に、どれくらい時間をとられているか」が一目瞭然になる。

これらの集計・分析がまさに課題抽出そのものといえる。自分の働き方に関するものは個人の課題として自分なりの解決策を考える。たとえば、資料作成のスキルを学ぶ、エクセル操作を勉強する、などがこれにあたる。一方、自分ひとりではなく、チームメンバーの多くが悩んでいる課題や、組織全体にかかわる課題については、1人では解決策が出てこないことが多い。こうした場合には、働き方を変えるための話し合いをチームで行う。これを「カエル会議」と呼んでいる。