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ホンダだけじゃない…大企業の相次ぐ「英国脱出」が意味すること

英国「EU離脱騒動」の大勢は決した

このままでは「秩序なき離脱」へ

英国の欧州連合(EU)離脱問題が難航する中、ホンダが2月19日、英国での自動車生産から撤退すると発表した。ホンダは「英国のEU離脱とは無関係」としているが、英国には大打撃だ。英国はこれから、どうなるのか。

ホンダは欧州で苦戦していた。各紙報道によれば、生産を停止するスウィンドン工場では、2018年に16万台を作っていたが、欧州市場の占有率は1%に満たなかった、という。生産していたシビックは55%が北米向けだ。

全世界でみると、540万台の生産能力に対して販売が追いつかず、供給過剰になっていた。英国生産の停止によって2021年末には生産台数を510万台に減らし、工場稼働率の向上を目指すという。英国EU離脱との関係を措いたとしても、妥当な判断ではないか。

問題は英国の側だ。工場で働いていた3500人の従業員は職を失う。下請けの関連会社を含めると、さらに増えるだろう。どのように彼らの雇用を確保し、生活を守っていくか。同社はもとより、英国政府にも頭の痛い問題になる。

 

ホンダの撤退は固有の判断だったが、英国のEU離脱が3月29日に迫る中、多くの企業が英国を脱出するか事業を縮小している。日産自動車は次期スポーツ用多目的車(SUV)の生産をとりやめ、パナソニックやソニーは欧州本社をオランダに移した。

金融機関もゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーなどがEUの大陸に本拠を移している。英国がEUから離脱すれば、EUに製品を輸出する製造業は新たに関税がかかり、銀行もEUの免許を失って、EU市場での事業が認められなくなる恐れがあるからだ。

こうした事態は、2016年6月に英国が「EU離脱の国民投票をする」と決めたときから、国際通貨基金(IMF)や世界銀行、経済協力開発機構(OECD)など国際機関は言うに及ばず、多くの専門家が指摘してきた。その通りになっただけだ。

それでも英国は方針転換せず、ついに、あと1カ月余りで「合意なき離脱」に突入するかもしれない事態を迎えている。言い換えれば「秩序なき離脱」である。本当に、そんな展開になるのかといえば、私は「7割方そうなる」とみる。なぜか。

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