タワマンが売れない…ついに始まるマンション「大崩壊」に備えよ!

在庫物件があちこちに
山下 和之 プロフィール

中古マンション在庫は未曾有の5万件目前に

実は、その予兆はかなり以前からあった。図表6をご覧いただきたい。

図表6 首都圏中古マンションの在庫件数と前年比の推移

拡大画像表示資料:東日本不動産流通機構『月例マーケットウォッチ』

これは、首都圏中古マンションの在庫件数と前年比の推移を示している。

東日本不動産流通機構によると、首都圏中古マンションの在庫件数は2015年6月から44か月続けて増加しており、2019年1月には4万8796件と過去最高を記録、いよいよ未曾有の5万件が目前に迫っている。

不動産価格は、市場原理より思惑で動く面もあるが、それでも需要と供給のバランスによって価格が決定されるのが原則。その原理原則からいえば、ここまで在庫が増えてくれば、需給バランスが崩れて値崩れが起こっても不思議ではない。いや、むしろ、これまで44か月もの間、在庫が増え続けるなかでも成約価格が上がり続けてきたのが異常なのではないだろうか。

その意味では、2019年1月に成約価格がようやく下落に転じたのは、正常な状態に戻りつつあることを意味するのかもしれない。

 

やがて新築市場の価格低下につながるのか

新築住宅市場の売手は企業であり、特にマンションの場合には大手不動産会社などの体力のある企業が多く、多少売行きが鈍化してもすぐに値下げということにはならない。できる限り我慢して、何とか採算を維持していこうとする。

それに対して、中古市場の売主の大半は個人。売却するにはそれなりの理由があり、いつまでに売らなければならないといった切羽詰まった事情を抱えている売手も少なくない。したがって、売れなくなれば、売値を下げることも、大企業に比べれば容易にできる。

その意味でも、中古マンション市場は新築市場の先行指標として位置づけられるわけだが、新築市場における不動産会社の我慢もいつまで続くのか、やがて限界がくるのではないかという見方もできる。

中古マンション市場から潮目が変わり、それが新築を含めたマンション市場全体に波及していく可能性が高まっている。

マンションの購入を考えている人は「あせらず、じっくり」、売却を考えている人は「そろそろ決着する」ことを考えてもいいのではないだろうか。