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退職金の受け取り方法、じつは「年金」より「一時金」がお得だった!

年金暮らしの人が手取りを増やすワザ

退職金の受取り方法、実は「一時金」がおトク!

会社員の退職金の受取り方法は、「一時金のみ」「一時金と年金の組み合わせ」「すべて年金」などいくつかのパターンがあり、受取り方法の自由度は勤務先によって異なります。

「一時金受取りのみ」などと決まっているなら、それに従うだけでいいのですが、会社から「組み合わせを自分で決めていい」と言われたら、みなさんならどうしますか。

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「年金受取り」をすると、会社もしくは企業年金が退職金原資を引き続き運用してくれるため、受取り総額は運用益分、「一時金」よりも多くなるのが一般的です。年金の運用率は企業によってそれぞれですが、最近は1~2%が主流です。

運用率を知ると「年金のほうがトクだ」と思うことでしょう。一時金で受け取って銀行預金に預けたとしても、マイナス金利政策の状況下では1%の金利ですら得られません。ですから「年金受取り」を選択する人が多数なのが現状です。

ところが私の試算によると、じつは手取り額は「一時金受取り」のほうが多くなるのです。年金収入が増えると、税金と社会保険料(65歳以降の国民健康保険料と介護保険料)の負担が重くなるからです。

私のもとへ退職後の生活設計のご相談にみえる方にこの試算結果をお伝えすると、全員驚かれます。

具体的に見てみましょう。

 

手取りが減る要因は、税金と社会保険料

退職金2000万円をすべて「一時金」にした場合と、2%で運用される「年金」で全額受け取った場合の比較をしました。試算条件は、次の通りです。

・60歳で定年、60歳から64歳までの5年間は再雇用で働き、年収は350万円
・65歳で完全リタイアし年金生活スタート、公的年金は220万円
・退職金は一時金で受け取る場合は60歳の定年時、年金で受け取る場合は、60歳から10年確定年金として受け取る
・手取り額は、60代前半は給与、65歳以降は公的年金を合計して試算。東京23区在住

その結果を示したのが以下の図1になります。

勤続38年で60歳定年時に退職金2000万円をすべて一時金にすると、手取りは2000万円です。退職金を一時金で受け取ると、勤続年数に応じて一定の「退職所得控除額」という非課税の枠があり、勤続38年だと、退職所得控除が2060万円になるため所得税・住民税はかからず、額面=手取りとなります。

一方、運用率2%の「10年確定年金」を選択すると、1年あたりの年金額は約221万円。10年間の受取り総額(額面)は約2210万円ですから、見た目は「一時金」よりも「年金」のほうがおトクに思えますね。