「アマゾンの商品を安く買えます…」に隠された恐ろしい真実

アマゾン急成長が生んだ「死角」
林部 健二 プロフィール

クレジットカード現金化の温床

では、アマゾンギフト券を換金したいユーザーにとってのメリットはどこにあるのだろうか。

〔photo〕gettyimages

パースを紹介するサイトなどには、使い道に困っているアマゾンギフト券をビットコインに換金したいニーズが多く存在していると記されていたりする。

だが、よく考えてほしい。さきほどの例で考えると、アマゾンギフト券の換金を希望するユーザーは、8,000円分のビットコインを購入するのに、10,000円を支払っていることになる。その手数料は実に2,000円。

仮想通貨取引所で10,000円分のビットコインを購入しても、2,000円もの手数料を取られるところはまずないだろう。取られるとしても手数料は30円以下で、なかには手数料ゼロでビットコインを購入できるところもあるくらいだ。にもかかわらず、なぜわざわざパースでビットコインを手に入れることがメリットになると言えるのだろうか。

筆者は、このサービスがクレジットカード現金化の温床になっているのではないかと疑っている。

 

クレジット現金化自体は昔からよく知られており、主に手を出してしまうのは多重債務者だ。多重債務者とは、複数の消費者金融あるいはクレジットカードのキャッシング枠による借り入れがある人間を指す言葉である。

金融庁などの調査を見ると、多重債務者の数は年々減少してきていることが確認できるものの、それでも2017年度にはいまだに115万人の多重債務者がいるとされている。

最初は、お金のちょっとした使い過ぎから始まる。クレジットカードの引き落とし日などにお金を用意できなくなった利用者のなかには、消費者金融にお金を借りて工面をしようと考える人間もいるはずだ。何度か利用しても、その後全てを綺麗に返済できたならば何ら問題はない。

しかし、そうもいかないケースもある。消費者金融では非常に簡単にお金を借りることができることから、自分の口座からお金を引き出しているのと錯覚してしまう人間も出てくるのだ。

そうなると、もはや歯止めがきかない。最初に借り入れを行なった消費者金融Aの返済をするために、消費者金融Bでさらなる借り入れを行い、消費者金融Bの返済をするために別の消費者金融Cで新たな借り入れを行う--。

まさに自転車操業の状態。一度ハマってしまったら金利分を支払うので精一杯となり、なかなか抜け出すことができなくなってしまうのである。