小学生をやる気にさせる魔法のテクニック

北島康介、松坂大輔を生んだ名門クラブに学ぶ
セオリー

24のステップアップでやる気を刺激

東京SCは北島が通った本郷高校(東京・駒込)のすぐ隣にある

 東京SCは、東京オリンピックの競泳陣惨敗後、「オリンピックで旗をあげる選手を輩出する」ことを目標に設立、以来10人の五輪代表選手を輩出した。そのなかには、北島のほかメダリストの中村礼子もいる。

 会員数は、3歳~小学4年生以下対象の「幼児・小学生コース」で約2000人にもなり、大人向けなどほかの年代の教室や選手登録者を加えた総在籍者数は4000人超。全国展開していない1スクールとしては日本一の規模を誇る。

 プールの大きさも25m×50mと破格のサイズ。25mコースが20本以上取れる計算になる。

 非常に細かくクラス分けを行う指導システムも大きな特徴だ。

「『幼児・小学生コース』では、<クラス1・顔付け>、<クラス2・呼吸>、<クラス3・浮身>というように、泳力に応じて24のクラスに分けて指導を行っています。次のクラスに進むための試験はなく、日々の練習のなかでコーチが判断して昇級を決める方式です。どんどん次のクラスへ進む子もいれば、一つのクラスをじっくり時間をかけて卒業する子もいます」(出垣氏)

 ほかのスイミングクラブでもクラス分けして指導するのは一般的だが、24段階まで細かくクラスを設定するのは東京SC独自のやり方である。一つひとつのハードルを低くして合格する喜びを得る回数を増やすことで、子供のやる気を引き出す狙いがあるという。

 最終的にはクロール、平泳ぎ、背泳ぎ、バタフライの4種目で200m個人メドレーを泳げるようにすることが目標で、それをクリアすると「選手コース」に進めるシステムになっている。

出垣宏務(でがき・ひろむ)
1966年北海道生まれ。大学まで水泳の選手として活躍。卒業後、東京SCに就職、コーチ等の人材育成を主に担当。北島のオリンピック2連覇は北京で目撃
外谷理絵(そとや・りえ)
1984年東京都生まれ。保育系専門学校を卒業後、東京SCに入社。同センターの卒業生で、学生時代からアルバイトのコーチだった