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日本株急上昇!その「最大の要因」を掘り下げてみた

為替レートはこの先どう動くのか

予想外の円安進行

年初から急反発した米国株に比べると完全に出遅れた感が強かった日本株だが、2月に入り上昇ピッチを上げてきた。

その最大の要因は予想外の円安進行であろう。

現在、ドル円レートは、1ドル=110円台半ばで推移している。しかし、年初から、ほとんどの為替市場関係者は、円高進行を懸念していた。特に最近は、元当局関係者から立て続けに1ドル=90円割れの超円高予想が出てきた。

このように、彼らが急激な円高進行を予想した理由は、FRBの金融緩和への転換と日銀の政策の手詰まり感である。  

1月初めにAEA(全米経済学会)のパネルディスカッションの場でパウエルFRB議長が当面の利上げ停止を示唆する発言を行い、実際にFRBは、1月のFOMC(連邦公開市場委員会)で当面の利上げ停止を決めた。

筆者は、これは昨年終盤の株価急落をうけ、危機管理という意味での「様子見」の一時的な利上げ停止ではないかと考えるが、市場関係者の間では早くも将来の金融緩和(利下げ)を予想する動きも出始めている。

米国の10年物国債利回りは2.6%台に低下、そして、市場金利をもとに算出される予想インフレ率(「Forward Inflation Expectation Rate」といわれる)も5年物で1.97%昨年末の低下からほとんど上昇していない(図表1)。

さらには、世界銀行やIMFの最新の世界経済見通しにおいても、米国経済の減速幅は中国よりも大きいとの予想が出されている。このような動きをそのまま先延ばしすれば、当然、FRBの次の一手は「金融緩和」というのは、それほど頭を使わなくとも誰でも思いつくことだろう。

 

一方、最近の日銀の金融政策スタンスについては、金融緩和の後退を指摘されることが前にも増して多い。また、金利政策面での金融緩和政策である「マイナス金利政策」も主に金融機関からの批判が強く、「金融システムの安定を重視するのであれば、早急に解除すべき」との声も聞かれる。

したがって、「今後も日銀による国債買い入れ額は減額していかざるを得ない」という見方が正しく、しかも、本当にマイナス金利政策の解除で金融機関の収益環境が改善し、金融システムが安定化するのであれば、今後の日米の金融政策の方向性は確かに「米国は緩和拡大、日本は緩和縮小」ということになる。

そして、「為替レートは2国の金融政策スタンスの違いによって決まる」というのが、為替レートの基本的なメカニズムであるとすれば、日米金融政策の方向性の違いは確かに円高ドル安要因となるはずである。

だが、現実の為替レートはまことに「天邪鬼(あまのじゃく)」なもので、このような見方とは逆方向に動いている。しかも、メディアを通じて市場関係者のこのような見方がたくさん出ればでるほどドル円レートは逆の動きを強めてきた。

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