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サラリーマンから資本家になるために、「会計思考」を身につけなさい

よりよく生きるには必須の知識です

「個人M&A」本が13万部超の驚きの大ヒット

2018年4月、「現代ビジネス」のコラムに端を発して出版となった私の初めての著作『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい――人生100年時代の個人M&A入門』は、出版社と私の想像をはるかに超える売れ行きで、発売から6ヵ月で累計13万部超のベストセラーとなりました。

なにより嬉しかったのは、実際に個人で企業M&Aを決心する方が次々登場したことです。たとえば、新卒2年目の青年サラリーマンが、勤めていた大手企業をやめて、超長期のローン(=低リスク)なども活用しながら3000万円の資金を調達し、会社を購入しました。そして、驚くべきことに、社長就任から2ヵ月で月商は2.5倍に増えたそうです。

また出版後、「会社を買いたい」という方が増えるとともに、「具体的には、どのように動けばいいのか?」という質問を多く受けるようになりました。そこで、「サラリーマンが300万円で小さな会社を買うサロン」という事業承継のコミュニティサロンをDMMオンラインサロンの中につくりました。

 

サロン会員の方向けの非公開のFacebookグループを会話の場とし、月1回開催のリアルな勉強会を組み合わせ、企業探しから選び方、デューデリジェンス(Due Diligence:投資対象となる企業や投資先の価値やリスクなどを調査すること)、交渉、買収まで、実際にM&Aをサポートしていく超実践型サロンです。

こちらは、開設3ヵ月で参加者が100人を超え、現在は130人を突破しています。実際に会社を買った人が出たり、サロン会員同士で「会社を買うための会社」を設立したり、事業承継を円滑に進めることができるNPOを設立したりと、さまざまな動きが生まれ始めています。

しかもすごいことに、2018年12月入会のサラリーマンが、年が明けた1月に早くも会社を買いました(事業譲渡方式)。

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寄せられた2つの「疑問の声」

日本の中小企業は、これから10年間で126万社が廃業し、その影響で650万人もの雇用が喪失していくとも言われる「大廃業時代」に突入しました。

これを解決するために、サラリーマンが引き継いで経営していけばいいという私の提案が多くの方の賛同を得て、問題解決の序章が始まったことは嬉しく思います。先のオンラインサロンが、シリコンバレーにベンチャービジネスの生態系をつくったスタンフォード大学のように、日本における事業承継の中心的存在になれば、これに勝る喜びはありません。

一方で、Amazonの書き込みや、Twitter、Facebookなどを通じて、たくさんのご質問、疑問、無用な心配の声が私のところに届きました。

要約すると、およそ次の2つの意見に大別できます。

①300万円で買える会社があるはずがない

確かに、後継者不足で会社を売りたがっている中小企業がたくさんあるかもしれないが、いくらなんでも300万円でまともな会社を買えるわけがない。三戸は嘘をついている。

②会社の選び方がわからない(だまされるはず)

300万円程度のお金は用意できるが、どうやって会社を選んだらいいのかがわからない。三戸はプロだから目利き(デューデリジェンス)ができるが、素人には不可能だ。落ち目の会社を買ってしまって悲惨な目に遭うのは目に見えている。

この2つの疑問を受けて私が感じたのは、わからないことをわかろうとせずに、その知識不足を認めず、「(的外れな)批判」をすることで自己防衛をしたい人が多い――ということでした。

「300万円で会社が買えるか」については、基本的な会計の知識を持てば、「できる」ということがわかります。また、「会社の選び方がわからない(だまされるはず)」という方は、「自分の知らないことはすべてが悪」と言っているのと同じです。