「普天間運用停止」本当に辺野古以外の解決はなかったのか

元米海兵隊幹部が振り返る
ロバート・D・エルドリッヂ プロフィール

本当に5年以内に運用停止したかったのなら

逆説的だが、普天間は、最もうるさく、最も危険な飛行場ではない。最も混雑している基地でもない。しかし、普天間は、戦略的に極めて重要な施設であるので、中国など、日米同盟の敵しか勝たない政治的なゲームにおける「歩」とか「兵」として扱ってはならない。

これを行ってきた、日本政府の関係者も、米政府の関係者も罪がある。

残念だが、現在や過去の政権でのワシントンの官僚たちは、全ての政党の日本の政治家とは、これだけの共通点を持つわけではない。何十年間も、真実を言う勇気も欠如し、戦略的なビジョンと知的誠実性も持っていなかった。

日米安全保障条約の体制を維持するためにと先に述べたが、この前提を崩さず、辺野古も埋め立てず、普天間も返還する方法はいくつもあるのだ。

そもそも、普天間の閉鎖に合意すること自体がおかしな話である。その前提、政治的な要求、誤解はいくらでも反論できるものだ。

少なくとも、1996年の段階の普天間と、現在の普天間を巡る状況は全然違っている。これは、先ほど見てきたように、普天間飛行場の運用に関してはもちろんそうだが、国内、日米間、そして地域での政治、外交、安全保障関係も大きく変わっている。

しかし、1996年の辺野古の合意以来、三十数名の外務大臣、35人ぐらいの防衛大臣、40人前後の沖縄担当大臣を経ても、全く同じ政策を追求しようとしている。

 

この致命的な問題だらけの辺野古案は古いものだ。20世紀の同盟のための90年代の考えであり、そのボディーとなるキャンプシャワブは、1950年後半の建設だ。しかし、今、必要なのは、21世紀や22世紀までも通用する近代的な体に前向きな案だ。

しかし、最も重要なのは、日米両国民に広く支持され、地元で政治的に堅持され、財政的維持可能、環境に大きな被害を及ぼさない、そして国際的に信用されている、つまり脅威国へ抑止力になり、同盟国などに対して友人としてちゃんと機能する、この日米の同盟を、真に持続可能なものにすること。辺野古案は、このどの条件を満たしていない。

次に示すのは、日本政府が普天間を5年以内に閉鎖しようとしたら使えたはずだった、そしてほんとうにその気になれば、辺野古移転を行わず、普天間から海兵隊を移設させることの出来る、現実的な3つの解決策だ。

良かろうが、悪かろうが、日本政府には考える力がなく、それを実施する先見性を持っていなかった。

今後、意味のない辺野古案を完成まで10年から14年の間、凧、風船、レーザー、高いタワーの建設などのテロ的な行為を含む事故や、新世代の政治家たちによる基地への集中的な攻撃がない限り、普天間は使用し続くことができる。これはもちろんいいことだが、一方で数多くの機会が失われた。