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# 財政

国の借金「1100兆円超え」でも政府が歳出を減らさないワケ

政治家も官僚も財政肥大化には賛成

過去最大の1100兆円

「国の借金」が1100兆円を超え、過去最大になった。財務省が2月8日に発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」によると、2018年12月末時点で1100兆5266億円と1年前に比べて1.4%、14.7兆円余り増加した。

いわゆる「国の借金」の水準については、GDP(国内総生産)の200%という先進国内で最悪の財政状態で、このままでは早晩、財政破綻を引き起こすという見方がある一方で、国が持つ資産を差し引いた「純債務」はそれほど大きくないので、大騒ぎするほどではない、という主張もあり意見が分かれるが、残高が増え続けている事実は否定しようがない。

借金を減らすには、いくつか方法があるが、まず初めにやらなければならないのが支出を減らすこと。年収600万円ならば支出も600万円に近づけるというのは当たり前の事だ。国で言えば、プライマリーバランス、基礎的財政収支の均衡である。

基礎的財政収支とは、借金による収入や、返済などを除外した、行政に毎年かかる金額の収支。今も毎年10兆円弱の赤字が続いている。

政府は当初、2020年度にこのプライマリーバランスを黒字化すると言っていたのだが、すでに5年の先送りが決まっている。赤字の垂れ流しが続くのだ。

 

収入が増えても借金は返さない

それでも安倍晋三内閣になってプライマリーバランスの赤字は減ってきた。

アベノミクスによる円高是正で、企業収益が大幅に改善、税収が増えたからだ。2018年度の税収は60兆円前後になる見通しだが、これはバブル期ピークの1990年度の60兆1000億円以来で、過去最高水準に迫っている。

だが一方で、支出の圧縮には本腰を入れていない。現在国会で審議されている2019年度の予算案は、一般会計の歳出が初めて100兆円の大台を突破する。いつものように社会保障費が膨らむから、と理由を並べているが、実際は大盤振る舞い予算である。

税収が増えたものを借金返済に回すのではなく、歳出増に振り向けている。前出の家計に例えれば、大借金を抱えているにもかかわらず、ちょっとボーナスが増えたからといって、さらに贅沢な生活を始めているようなものなのだ。