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# 性犯罪

心の傷は癒えない…被害者女性たちが明かす「性犯罪・性暴力」の現実

警察の対応、慰謝料、仕事復帰…

泣き寝入り

私は行政書士をしながら男女問題研究家として活動しており、これまで何千件という離婚などの男女トラブルの相談を受けてきました。

最近では出演作品130本以上という有名俳優の新井浩文さんが強制性交容疑で逮捕されたニュースが騒動になりましたが、私のところでも性被害にあった女性からの相談は増えているように感じます。

じつはこうした性被害に遭った女性の中には、必ずしも被害届が受理されるケースばかりではないという現実があります。そうした事態を避けるためには、どういったシチュエーションが危険なのかについての知識を深めて、未然に危険を察知することが大切です。

今回はそうした性被害に遭った女性たちの証言を紹介します。以下、ケース別の実例から、どこに危険ポイントがあるのかについてについて考えていただければと思います。また、それぞれのケースについて、1.本人の年齢、2.本人の年収、3.相手の年収、4.相手の謝罪の有無、5.相手に対して求めた補償額(慰謝料、給与補償、内科、診療内科、産婦人科の医療費など)も紹介します。

 

・研修先の班長の場合

1.43歳 2.360万円 3.520万円 4.なし 5. 80万円

「同乗中、指導員にあたる班長が私の飲み物にアルコールを混ぜていたようで私は何も知らずに飲んでしまいました」

横山春香さん(仮名、43歳)は昨年、運送会社に転職したばかり。トラックドライバーとしての社内試験に合格するまで、そして仕事を覚えて一人立ちするまでの期間は指導員として班長やキャリアの長いドライバーの指導を受けることになっていました。

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班長の男は上下関係を利用して春香さんの意識が朦朧としているなか、トラックのなかで体を触ったり、男の家へおんぶで連れ込んで性行為を強要してきたそうです。

「それだけじゃないんです!私のカバンから家の鍵を盗んで合鍵を作っていたようで、私が家に帰ると班長が部屋のなかで待ち構えていることもありました…」

春香さんは怖くなって警察を呼んだそうです。警察は男へ事情聴取をしたのですが、「知らない!やってない!全く身に覚えがない!」と言い放ったといいます。

そこで春香さんは会社の人事部に相談したのですが、「証拠がない」と男をかばって隠ぺいしようとしたのです。

春香さんは当日の記憶が曖昧だったり、鮮明に思い出すまで数日かかったりしたせいで証言の信憑性を疑われてしまい、被害届を受理できないと警察でも断られたようで、泣き寝入りするしかない状況に追い込まれたのです。