# 性犯罪

性犯罪・性暴力の被害者女性「106人の証言」でわかったある真実

約8割の男性が非を認めようとしない
露木 幸彦 プロフィール

「赤字覚悟で裁判をやりますか?」

次に、実際のケースでどういうことが起きているのかを見ていきましょう。

今回は前述の106人から、相手別に8つの証言(デリバリーヘルスの客、ホステスの客、会社の同僚、会社の上司、研修先の班長、男友達、婚活相手、シェアハウスのオーナー)を取り上げます(すべて仮名)。どういったシチュエーションが危険なのかについて、その注意点が見えてくるはずです。

・デリバリーヘルスの客の場合

1.32歳 2.(デリバリーヘルスの収入以外は)0万円 3.不明 4.なし 5.200万円

「お客さんに上から乗られ、身動きが取れない状態でした。そして、そのまま挿入されて『やめて、やめてよ!』と何度も言いましたが、相手は聞く耳を持たず。コンドームもつけずに強引に…」

そんなふうに怒りを露わにするのは門奈操さん(仮名、32歳)。操さんは5万円を払うという約束で本番行為を了承したのですが、避妊することが前提なので話が違います。操さんが必死に抵抗しても男は「金を払っているのはこっちだ」の一点張りだったといいます。

不幸中の幸いで操さんは妊娠せずに済んだのですが、男に対して後日「どういうつもりなの?」と追及しても、男は「風俗嬢が妊娠したからって相手(子の父親)が俺だと決め付けるなよ!」と無責任な態度をとり、さらに「お前との時間は無駄だ。死ね!」と暴言を吐く始末。

操さんは怒りに震えて法律事務所の門を叩いたのですが、「一応了承しているので被害届は難しいですよ。あなたが納得いく結果どころか慰謝料を取れない可能性もある。赤字覚悟で裁判をやりますか?」と門前払いされてしまったそうです。

「悔しさと苦しさの行きどころがありません!もう死にたいです!!」

操さんは悲しそうな顔で嘆きます。現在、服用している抗うつ剤の影響で頭が働かず、ボーっとした状態が続いており、働くことも含め、社会復帰するのは時間がかかりそうです。

 

曖昧な記憶

・ホステスの客の場合

1.35歳 2.(ホステスの収入以外に)480万円 3.不明 4.なし 5.30万円

「恥ずかしながら…昼間の仕事が終わってから副業でホステスをやっています。でも生活のためです。身持ちも固いほうだと思います」

長友陽菜さん(仮名、35歳)はそう言いますが、お客とそういう行為をしたことは一度たりないともなく、当の男性客に対しても好意を持っていなかったのですが、どうしても食事に誘いを断れず、レストランで2人きりになったときに事件が起こったのです。

男は「きちんとタクシーで送り届けるよ」と言ったのですが、行き先はラブホテル。最初のうち、陽菜さんは少し飲み過ぎたようで記憶が曖昧でキスをされた感触をかすかに覚えているに過ぎませんでした。

〔photo〕iStock

しかし、服を脱がされ、体を触られたところで酔いが覚めてきたので、難を逃れることができたそうです。ちょうど男が避妊せずに男性器を挿入しようとする段階だったので、陽菜さんは男の股間を蹴り上げたのです。そして男が悶絶している隙に服を着て、鞄を手にして部屋から立ち去ったといいます。

そして翌日、気持ちを落ち着けて警察へ相談しに行ったのですが、いかんせん急いでいたのでホテルの場所や部屋を思い出せず……。周辺の景色は覚えていたのですが、「それだけじゃあね」と警察で一蹴され、「場所(シティホテルではなくラブホテル)が場所だし、合意があったことも否定できない。自分から飲酒したのは間違いないのだから」とまともに取り合ってもらえなかったのです。

「当日の服装をDNA鑑定してもらえば、あいつの仕業だって分かるはずなのに」

陽菜さんは苦しい胸のうちを吐露します。

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