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# 米国株

トランプ相場は「経済学」を使えば100%勝てるゲームだった

投資に「好き嫌い」はいらない
「経済学」こそが株価を予想する武器になるーー。そう主張するのは、自身も億単位の試算を運用し、『億万長者への道は経済学に書いてある』も出版した経済評論家の加谷珪一氏だ。加谷氏は、いわゆる「トランプ相場」でも経済学の知識を使って、大きな利益を得たという。その一部始終を解説していただいた。

多くの人がトランプ相場を見誤った理由

前回記事にも書いたように、経済を知っていれば、投資で有利な立場に立つことができたという話は、トランプ大統領の誕生によるいわゆるトランプ相場でも観察されました。

トランプ大統領が誕生する直前の雰囲気は、かなり悲観的でした。識者の中にはトランプ大統領が誕生すれば、株式市場は大暴落し、長期不況に突入すると指摘する人もいたほどです。

 

しかし一部の投資家は、トランプ氏が選挙に勝利すると同時に米国株を積極的に購入し、大きな利益を上げることに成功しました。筆者も選挙終了後、すぐに米国株を大量に買い増しましたが、ほぼすべての銘柄が大きく上昇しています。

ちなみに筆者は個人的にはトランプ氏が好きではありませんし、トランプ氏の経済政策もまったく評価していません。しかし、一部の投資家がそうであったように、マクロ経済の理屈で考えれば、トランプ氏が大統領になれば、株価はかなりの確率で上昇することが分かっていました(少なくとも数年というタームでは)。

これは経済についてドライに判断し、投資を決断しただけであり、トランプ支持、不支持とは何の関係もありません。

ところが世の中の多くの投資家はそうではありませんでした。トランプ氏を好き嫌いで判断してしまい、結果的に大きな投資チャンスを逃しているのです。

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トランプ氏が選挙期間中に掲げていた政策は、大規模減税とインフラ投資です。これに加えて、アメリカファーストという、かなり情緒的で曖昧なスローガンを打ち出しており、保護貿易的な政策を実施する可能性が高いという状況でした。

実際、トランプ氏は就任後、大規模減税を実施し、規模を縮小した上でインフラ投資を取りまとめ、中国に対しては貿易競争をしかけています。

一部の人はアメリカファーストというキーワードだけに敏感に反応し、貿易が停滞して一気に不況になると考えてしまったわけです。

しかしながら、経済の理屈から冷静に事態を分析すれば、少なくとも短期的には米国の景気が加速することは十分に予測できることでした。

繰り返しますが、トランプ氏は大規模な減税とインフラ投資を公約として掲げていました。どちらの政策も経済学的に考えれば、GDPの増大要因です。

減税だけでもかなり効果がありますが、これに財政出動が加われば、景気を加速させることはほぼ間違いありません。

経済学的にはこれらの政策は金利を上昇させる可能性がありますが、米国は量的緩和策をすぐに終了しており、金利はすでに上昇モードに入っています。市場は金利上昇についてある程度、織り込んでいますから、金利上昇によって景気の腰が折れるという可能性も低いと考えてよいでしょう。

さらに言えば、米国経済はここ数年、絶好調という状況が続いていました。この状況で、減税と財政出動を実施するというのは、元気が有り余っている人にエナジードリンクを飲ませるようなものです。ここまでやるわけですから、景気は悪くなりようがありません。

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