「リア充」「草食系」どっちが多い? 性行動調査で発覚した意外な事実

男子の「リア充」は34.3%?
林 雄亮 プロフィール

年上男子×年下女子の組み合わせの減少

こうした疑問に答える前に、まずは、実際に調査の数字を見てみよう。興味深い傾向が様々に発見できる。

図1は学校段階(中学校、高校、大学の別)と性別ごとの性交経験率の推移を示している。一見してわかるように、第2回調査(1981年)以降、高校生・大学生の性交経験率は一貫して上昇し続けている。性行動の活発化が進行してきたと言っていいだろう。しかし、第6回調査(2005年)をピークとしてその後は下降に転じた。こうした数字が、世間では「若者の草食化」として注目を集めた

図1 性交経験率の推移(%)
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この図からはほかにも興味深いことが読み取れる。

まず大学生に着目すると、第6回調査(2005年)までに男女の性交経験率の差が徐々に縮小してきた(女子の性交経験率がより上昇している)ことである。この背景には(ちなみにこれも「青少年の性行動全国調査」結果からわかることだが)、初交時の相手の年齢についてかつては年上男子と年下女子の組み合わせが多かったのが、同い年同士の組み合わせが増加してきたことが挙げられる。

男が年上、女が年下、つまり「男=リードする」「女=リードされる」という関係のあり方が、よりフラットなものになったと考えられるかもしれない。

「草食化」は本当か?

また、これは非常に重要なことだが、「若者が草食化している」と言い切ってしまうことに疑問を付すような結果も見つけられる。その後の第7回調査(2011年)では、高校生では女子の方が男子よりも性交経験率が高いのに対し、大学生では男子の方が高くなっている。つまり同じ青少年層といっても、性行動の消極化(草食化)の様相が学校段階によっても異なっているのである。

2000年代半ばに登場した「草食(系)」やその対義語としての「肉食(系)」、その後に登場した「絶食(系)」という語は、現代の若者の性を特徴づけるキーワードとしてすでに定着したものとなっているが、こうした数字を見ればわかるとおり、若者は決して「一枚岩」とは言い切れないことがわかる。

 

若者を画一化して捉えると、実態を見誤ってしまう。だからこそ、前述の通り、若者がどのような「層」「グループ」に分化しているのかを、性行動の経験や性に対する意識、同性・異性の友人づきあいの側面から統計的に考察することには意味があるのだ。では、どのようなグループに分かれているのか。

少し専門的になるが、今回用いたのは「潜在クラス分析」という方法だ。

第7回調査(2011年)における高校生と大学生(男子1630名、女子2335名)を分析の対象とし、

①同性友人がたくさんいるかどうか
②異性友人が数人以上いるかどうか
③今までに性的なことに関心をもったことがあるかどうか
④今までに性交の経験があるかどうか
⑤今までに異性と交際した経験があるかどうか
⑥「性」という言葉のイメージとして「楽しい」と感じるかどうか

という6つの情報をもとに、そのパターンによっていくつかのグループ(専門的には「潜在クラス」と呼ぶ)を定義し、それぞれのグループにどれくらいの割合が所属するのかを推定する…というものである。

(※6つの情報はそれぞれ「Yes」か「No」かで表現できるため、論理的には2の6乗(=64)個のグループが存在しうるが、実際には所属者ゼロのグループも出てくるだろうし、そもそも64個は冗長のため)

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