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米国の宣戦布告に対する「ファーウェイの逆襲」その手段が見えてきた

世界の技術覇権を握るのはどっちだ

アメリカの強い危機感

先週末の2月16日、トランプ政権で対中強硬派筆頭のペンス副大統領が、ミュンヘン安全保障会議で演説し、強烈な中国批判をぶった。昨年10月4日にワシントンのハドソン研究所で行った「米中新冷戦」ののろしを上げる演説の「続編」とも言える内容だ。

その全文は、以下のアドレスで見られる。

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-vice-president-pence-2019-munich-security-conference-munich-germany/

ペンス副大統領は特に、世界最大の通信システム会社の華為技術(ファーウェイ)を標的に、こう毒づいた。

「アメリカは次のことをクリアにしておきたい。それは、華為とその他の中国の通信会社によって、われわれの安全保障のパートナーにもたらされる脅威についてだ。中国の法律では、中国の通信会社がアクセスするネットワークや設備のあらゆるデータを、北京の膨大なセキュリティ機器に提供するよう義務づけている。

われわれは、自分たちの重要な通信インフラを守らねばならない。そしてアメリカは、すべての安全保障のパートナーに対して呼びかける。通信技術や国家の安全システムの信用性を損なうあらゆる企業を警戒し、拒絶してほしいということをだ」

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ペンス副大統領は、華為をこのままのさばらせておくと、その技術が次々に人民解放軍に軍事転用されて、アメリカの軍事覇権が終焉してしまうという強い危機感を抱いているように見受けられた。

同じく先週2月14日、15日に北京で行われた米中閣僚級貿易協議は、最終決着を見ないまま、週をまたいでワシントンで協議を再開することになった。3月1日に米トランプ政権が設定している関税引き上げ期限が近づき、ワシントン、北京、ワシントンと、米中の閣僚級が、1ヵ月で3度も往復するという異例の展開を見せている。

中国の関係者は、次のように述べる。

「習近平主席とトランプ大統領は、一刻も早く貿易交渉で解決を見たいと思っている。それが双方の政権の成果となるからだ。

ところが、実務担当者たちはどちらも強硬だ。特にアメリカ側は、貿易不均衡の問題だけでなく、知的所有権の侵害や先端技術の強制移転、政府から国有企業などへの手厚い保護といった問題に争点を広げてきている。われわれとしても、貿易不均衡問題ならまだしも、社会主義システムの根幹に関わってくる問題に対しては、妥協の余地は少ない」

 

そんな中、ペンス副大統領らトランプ政権が「最大の標的」と見なしている華為技術(ファーウェイ)もまた、「逆襲」に乗り出した。

2月25日から3月1日まで、スペインのバルセロナで、世界最大のモバイル見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2019」が開かれる。この期間、日本の3大キャリア、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクを始め、世界中のモバイル関係者が一堂に会する。

このMWC開幕の前日、現地時間の2月24日午後2時(日本時間夜10時)に、華為はバルセロナで、世界初の「折りたたみ式5Gスマホ」を発表する予定なのだ。

「5Gスマホ」が発表されるのも世界初なら、それが従来のカード型ではなくて、より複雑な折りたたみ式というのも驚きである。名称は、華為の「Mate」シリーズの最新型ということで、「Mate Fold」(foldは「折りたたむ」の意)と漏れ伝わってきている。

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「5G」は、第5世代移動通信システムの略称で、これから始まる第4次産業革命の核心技術である。

5Gによって、これまでとは比較にならない大容量・超高速・多接続・低遅延が可能になる。「4G(現在のスマホ)は世界の人々の生活を変えたが、5Gは社会を変える」と言われるゆえんである。今年はまさに「5G元年」で、われわれが普段手にしているスマホも、今年から順次、5Gへと切り替わっていくことになる。

華為は、そんな「5G時代」の幕開けを、世界に先駆けてアピールすることで、これまでアメリカのアップル(iPhone)と韓国のサムスンが牽引してきたスマホ業界を、覆そうとしているのだ。同時に、トランプ政権の「華為包囲網」をも突破しようとしている。

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