「上司にとっては、普段は知らない、気付かない従業員の行動を知れるわけだからマネジメントにも生かせるでしょう。経営者からすれば、組織の風土が柔らかくなって風通しが良くなる、新しいことにチャレンジする土壌が作れるといったメリットもあるはずです。また『行動指針』などとひもづいた#(ハッシュタグ)をメッセージにつけることで、従業員のどんな行動が、自社の理想とする指針と合致するのか、伝えることもできます」

Unipos社の行動指針にもとづくメッセージ
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「立場によってUniposを利用する価値は違う場合もありますが、みんなに共通しているのは、ポイントもらうと嬉しくて、送ると楽しいんですよ。僕自身も、ちょくちょく社内でポイントをもらえるんですが、やっぱり単純に嬉しいですよね」

斉藤さんは、さらにUniposがもたらす真価について語ってくれた。

「見てくれている。認めてくれている。日々そう実感できるだけで、評価者による評価やアドバイスまで素直に聞けるようになるんです。僕自身もそうだったから分かるんですが、『俺のこんなことも知らないのに』ではなく、『見てくれているからちゃんと評価を受け止めよう』というように前向きな意識変容ができる。これこそ僕たちが一番提供したい価値なんです」

メッセージを送るとなるとハードルが高いと感じてしまう人も、「拍手」のボタンを押すだけならできるという人はきっとたくさんいるのではないだろうか。こうしてアクションのレベルを個人で選べることも、Uniposの魅力の一つだ。誰でも参加しやすいから、必然的に従業員の参加率や継続率も高くなる。

Uniposを導入するメルカリでは、従業員に愛着を持ってもらうために、感謝に対するチップという意味で「メルチップ」と名付けて利用している。

「〇〇さんから△△さんにメルチップが送られました」「メルチップが届きました」などと通知が来て、タイムラインに投稿がどんどん流れていくが、当然ながら強制参加ではない。毎日見なくちゃいけないといったものではない。投稿を見るだけで満足する人もいる。けれども実際に計測してみると、ある月には、ポイントを1ヵ月に1度以上もらった人の割合はなんと99%に上ったという。些細なことに対して日常的に感謝が送り合われているという状況が浮かび上がった。

「99%という非常に高い割合は、ITリテラシーの高いメルカリさんだからとも言えるかもしれません。ただ、その他の導入企業でも、投稿ユーザが7割8割、『拍手』ユーザも含めると8割9割を占めるという状況は珍しくありません」

しかも2019年1月の公開情報によると、サービスの解約率は、アカウント数ベースで月次わずか約0.3%。1000社あれば3社くらいが毎月やめている計算だ。総じて、そして着々と、Uniposのサービスが日本企業でも受け入れられていることが伺える。

最後に、Uniposは税金の面でも魅力がある。本来ピアボーナスは賃金にあたるため、日本では給与から差し引かれる所得税の対象になる。ただ、今後もっと給与や賃金を上げていきたいといった流れがある中で、Uniposは現在運用されている「所得拡大促進税制」の対象となる(参考リリース)。

「企業規模によって割合は違いますが、対前年比で所得を一定割合上げると、増額分の何割かが給与の法人税から削減されるのが『所得拡大促進税制』です。法人税の削減という意味でも、Uniposの原資を投資として捉えてもらえる機会は今後も増えていくのではないでしょうか」

組織に対する従業員の満足度や帰属意識を高めてくれて、組織の風通しがよくなる。何より、みんながあまねくハッピーになる。おまけに、法人税の減税まで見込める。さまざまな面でメリットの多いUniposは、「コスパのいい福利厚生」とも言えそうだ。

実は日本人にこそ合っているピアボーナス制度

金銭を従業員同士で送り合う仕組みは、日本ではまだまだ馴染みがない。その一方で、Uniposの導入メリットを踏まえると、感謝を直接言葉にするのが恥ずかしい人も多い中、ピアボーナスは実はむしろ日本人向きなのではないかという気がしてくる。

「みんなが見ているタイムラインという場所で、どこまでメッセージを投稿してくれるだろう。最初は、正直不安もありました。ただ導入してみると、案外好意的に受け入れられたというのが実感です。もちろんシャイな人はいますが、『拍手』機能でも参加ができる。そうして少しずつ参加するうちに、もうちょっと頑張ってメッセージを返してみようかなといった気持ちになることが多いようです。いろんな企業で感謝の循環が生まれているのを目の当たりにするうちに、最近は日本の企業こそピアボーナス制度が必要だと思うようになりました。」

「Uniposは、中小企業のみなさまに導入いただくケースがこれまで大半でしたが、今では大手の日本企業のみなさまからもUniposの制度を使えないかという引き合いが多くあります。長く事業を続けていらっしゃる大きな会社は成果主義的である一方、社内の関係性の質をもっと向上させたいという課題感が切実なのでしょう。今後もユーザーの嬉しい、楽しいといった気持ちを一番に考えながら、感謝の流通を広げていきたいですね」

斉藤さんは確かな手応えをそう語ってくれた。

見えづらい貢献を見える化し、「見てくれている」という意識が人や企業文化を強く育ててくれる。これまで日本になかった制度だが、Uniposによる「感謝の流通」は今後ますます市民権を得ていくのだろう。