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<ゼロからわかる>退職後の健康保険、一番トクする選び方と注意点

任意継続か、国民健康保険か、それとも

定年あるいは転職、キャリアアップのため、これまで勤めていた会社を退職するというのは、よくある話だろう。ただ、そこで多くの人が悩むのが、「退職後の健康保険をどう選ぶか」ということだ。

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すぐに別の会社に再就職するなら、転職先の健康保険に加入すれば問題ないのだが、それ以外なら、いずれかを選んで手続きしなければならない。

筆者がふと小耳にはさんだ、カップルの会話に出てきたよくある疑問点をベースに、どう考えるべきかポイントをご紹介しよう。

「退職したらどの健康保険を選べばいいの?」

先日、都内の駅のホームで電車待ちをしていたところ、隣に並んでいるカップルの会話が聞こえてきた。

別段、聞き耳を立てていたつもりはないが、結構な声のボリュームで話をしているので、否が応でも聞こえてしまう。それにその内容が、退職後の健康保険に関するものだったため、仕事柄、興味を持ったというのもある。

どうやら、彼女(推定20代後半)の方が近々、会社を退職するらしく、彼氏(推定30代前半)にどの健康保険を選んだら良いか、しきりに相談している。彼女は、何かの資格取得のため、しばらくは就職しない意向のようだ。

彼女「ねえ、ねえ。このまま、会社の健康保険に任継(※任意継続被保険者のこと)に切り替えても、2年間までしか使えないじゃん?その後、就職してなかったら、国保(※国民健康保険のこと)に加入することになるんだよねえ」
彼氏「うーん。よくわかんない」
彼女「でもさー。任継の保険料って、今払ってる分の倍くらいになっちゃうんだよねえ?だったら、最初から国保のほうに加入した方が保険料安いのかぁ」
彼氏「え?任継って、保険料が倍になっちゃうの?そんな高くないんじゃない?」
彼女「会社が負担してくれる分がなくなるから、倍になるみたいだよ」
彼氏「ふーん。そうなんだー」
彼女「国保にするんだったら、退職してから2週間くらいまでに手続きしなくちゃいけないんだよね。あっという間だよ。今からどれにするか決めとかなきゃ」
彼氏「ふーん。そうなんだー」
彼女「国保の保険料って、いくらなんだろ。ほら、ウチ、しばらく収入なくなっちゃうじゃん?親にも頼れないし、保険料安くないと生活困んだよねー」
彼氏「だろうねえ」
彼女「でもさー、一番保険料がかかんないのは、誰かの扶養家族になる方法って、この前結婚した××ちゃんが言ってたんだよねー」
彼氏「えっ?けっ、結婚ねえ…(急に手元のスマホをチェックしだす)」
彼女「(カレの様子をチラチラ伺いながら)でも、ウチは結婚の予定ないしさー」
彼氏「(スマホに気を取られてる風を装いながら無言)…」
彼女「(しびれを切らしたかのように、彼氏の顔を覗き込みながら)ねー、ないんだよねー」
彼氏「(ひたすら無言)…」

彼女のほうは自分のことだからか、結構詳しく調べている様子。しかも最終的に、話の矛先を結婚話まで持っていくとは恐れ入った。

この後、彼氏がどう対応したかは、電車に乗り込んでしまったので分かりかねるが、お互いの将来にプラスになるような話し合いになることを祈るばかりである。

 

退職後に考えられる3つの選択肢とは?

さて、それでは、上記のカップルの話題にのぼった退職後の健康保険選びについて、おもな選択肢とポイントをご説明しよう。まず、選べるパターンはおもに次の3つだ。

① 健康保険の任意継続被保険者(以下、任継)になる
…勤務していた会社の健康保険に引き続き加入する方法
② 国民健康保険(以下、国保)の被保険者になる
…各自治体が運営する国民健康保険に、自営業・自由業者など、被用者(会社員、公務員)以外の方が加入する方法
③ 配偶者・パートナー、子どもなど家族等の被扶養者になる
…健康保険組合や協会けんぽに加入している配偶者や子どもなど、家族の健康保険の被扶養者になる方法

なお実は、この3つ以外にもう一つ、「特例退職被保険者制度」という選択肢もある。