あなたは住まいで困り果てる(Photo by iStock)

これから東京に激増する「ひとり暮らし高齢者」のためにすべきこと

『未来の年表』がマンガ化されました

「2020年、女性の半数が50歳超え」「2024年、全国民の3人に1人が65歳以上」「2033年、3戸に1戸が空き家に」……。

少子高齢化が猛スピードで進行し、社会・経済が縮小していく日本の未来の実像を、ジャーナリストの河合雅司氏がデータを駆使し、具体的に解説した講談社現代新書『未来の年表』は『未来の年表2』と合わせて、累計75万部を突破している。

本日、講談社とピクシブが共同で運営するマンガアプリ「Palcy(パルシィ)」にて、新連載『マンガでわかる 未来の年表』(漫画:水上航 監修:河合雅司)がスタートする。

『未来の年表』で指摘されている人口減少日本の未来に起こるエピソードを、マンガでわかりやすく描写。未来への案内人MIRAIが、ふつうに暮らす日本の人々を未来の日本へ連れていき、人口減少社会日本の問題をリアルに体験してもらうというストーリーだ。

老若男女問わず、広くこの問題に興味を持ってもらい、未来への恐怖を煽るのではなく、これからの時代をどうやって生き抜くかのライフプランの提案もしている。

その第1話目に取り上げられている話題は、あなたの住まいがどうなるか。「タワーマンションが天空の老人ホームになる」という日本の姿をわかりやすく描かれている。

『未来の年表』の著者・河合雅司氏が、住まいにまつわる第1話目の公開に際して、「ひとり暮らしの高齢者宅に、税金を投入して顔認証鍵を取り付けてみては」と言う。さて、その理由とは?

東京への一極集中

相変わらず東京への一極集中が続いている。

先日公表された総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によれば、2018年の東京圏は転入者が転出者を13万9868人上回る転入超過となった。前年より1万4338人多く、流れが加速している。

東京圏の中においても、都心部に住もうという人が増加傾向にある。「日本の地域別将来推計人口」(国立社会保障・人口問題研究所、2018年)が2045年の自治体の姿を描き出しているが、東京の中心部に位置する中央区、港区、千代田区の3区は、人口減少時代にもかかわらず、2015年比で1.3倍に膨れあがる見通しだ。

こうした動きは、地方の政令指定都市などにも見られる。オフィス街や大きな繁華街を抱える中心地の区で人口増加するところが目立つ。

背景にあるのは、家族構成の変化だ。いまや非婚化、晩婚化でシングルという人は少なくなくなった。

配偶者を亡くしてひとり暮らしとなった高齢世帯も増えた。すなわち、家族が多かった時代に人気だった一戸建てや3LDKのマンションのような「広い専有面積の家」を必要としない人が増大してきたということだ。

狭いマンションならば、購入するにしろ賃貸するにしろ手が届くという層の人々にとっては、職場に近かったり、買い物など生活が便利だったりする都心部のほうが魅力的というわけだ。

こうしたニーズに応える物件の供給も多くなり、大都市部での〝都心回帰〟が続いているのである。

都心3区の75歳以上人口は2倍に

大都市の場合、これから住民が高齢化することによる高齢者数の増加が指摘されてきたが、郊外から高齢者が流入することで爆発的に高齢住民が増えそうである。

中央区、港区、千代田区の都心3区の場合、人口が1.3倍に膨らむだけでなく、75歳以上人口が2015年のほぼ2倍となる

こうなると、住民の大半が「高齢化した高齢者」というマンションも登場しよう。拙著『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』において、タワーマンションがいずれ〝天空の老人ホーム〟になることに私は警鐘を鳴らしたが、大都市のど真ん中に高齢者住宅化した物件が広がる光景が当たり前となることだろう。

『マンガでわかる 未来の年表』第1話より

そもそも、2030年代に入ると、国民の7~8人に1人は80代以上となる。〝天空の老人ホーム〟が登場する以前に、ひとり暮らしの高齢者が安心して暮らせる住宅を普及させる必要性が出てこよう。

今後の高齢者市場の拡大を考えれば、不動産会社もハウスメーカーも高齢者向け住宅ニーズを無視できなくなってくるだろう。

80代になると誰もが、加齢に伴う運動能力の衰えはもちろんのこと、状況判断力や理解力だって若い頃のようにはいかなくなる。

ひとり暮らしですぐに相談できる相手がいないとなれば、些細なトラブルで困るといった場面も増えることだろう。

そこで期待したいのが、ハイテクの力だ。