投資のプロがこっそり儲けている「配当・優待アノマリー」の凄み

個人投資家は2月28日に備えよ
大川 智宏 プロフィール

株主優待で二度おいしい

さて、ここまでは「配当利回り」のみに焦点を当てた分析だ。

しかし、現実的に考えれば、個人投資家の権利落ち前の買いの行動は「株主優待」にも左右されるはずである。しかし、優待の内容は企業によって様々で、魅力度を数値化するのは困難である。また、発生したアノマリー効果の配当、優待の依存度を判別するのも難しい。

そこで、この配当アノマリー効果が表れる銘柄を容易に特定するには、配当利回りが高いか株主優待を実施している(もしくはその両方)銘柄で、かつ毎年アノマリー効果が発現している銘柄を抽出してしまえばよい。

 

そこで、前述までと同様の方法で、特に時価総額にこだわらず、過去5年間の権利落ち前のTOPIX相対リターンがすべてプラス(勝率100%)で、かつ市場の平均配当利回り(2.5%程度)を超えているか、株主優待を実施している銘柄を抽出してみた。

たとえば、安定的にパフォーマンスが得られている事例としては、ベネフィット・ワン(2412)が挙げられる。

図表:配当・優待アノマリーの例 ベネフィット・ワン(2412)

拡大画像表示出所:Datastream

この銘柄は、過去5年間の平均配当利回りは1.7%程度と高くはないものの、ベネフィットステーションと呼ばれる福利厚生サービス(カタログ商品やテーマパーク入場券など多岐にわたるサービスから選択可)を優待として提供しており、個人投資家に人気の高い銘柄である。企業としての成長性も高いが、権利落ち前の動きはまさに優待取りのそれといってもいいだろう。

そして、こういった典型的な銘柄のうち、特に安定性の高い30銘柄を抽出したリストは次ページの通りである。時価総額の制約はないが、コーセーなどの例外を除いてほとんどが時価総額1000億円未満の中小型銘柄となる。また、こういった上位銘柄に限定すれば、昨今の優待ブームもあって、高配当銘柄よりも優待銘柄が目立つようだ。