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投資のプロがこっそり儲けている「配当・優待アノマリー」の凄み

個人投資家は2月28日に備えよ

第3四半期決算の発表もピークを越えたが、特に米中貿易摩擦に絡む製造業は減益となった銘柄も多く、地合いは芳しくない。一方、株式市場は一時的に回復を見せているものの、マクロ環境の変化に呼応して乱高下を繰り返し、相変わらず不安定だ。

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しかし、そのような難しい投資環境の中でも、安定的に投資収益を得られる可能性の高い戦術がある。足元2月の後半から3月後半までのこの時期限定の投資アイデアで、その名も「配当アノマリー投資」である。

 

配当権利落ちを狙うなら「この日」

この配当アノマリーは、手法の単純さの割に手堅いリターンが期待できるため、特に短期筋のヘッジファンドなどで実際に戦術として利用されている。

現象としては、単に3月後半の権利付き最終売買日に向けて、高配当株や優待銘柄の株価が市場を上回る、というだけだ。要は、配当取りと優待取りの動きであり、これを先回りしてしまおうというのが趣旨となる。

単純な話だが、実際に強固な投資アイデアとして収益を得るには、それなりの分析および検証作業が必要となる。何日前から仕込めば良いのか、いつ売ればいいのか、機能する銘柄としない銘柄をどう判別するのか、などだ。そこで、効果の検証と取引手法、および銘柄を紹介していきたい。

まずは、効果の検証だ。一般に、配当アノマリーは権利付き最終売買日から遡って数週間前から始まるとされる。そこで、実際に過去5年間の3月権利付き最終売買日の前後1ヵ月間(20営業日)について配当取りの動きを見るために、高配当株の値動きを観察した。

ここで、母集団は東証一部のうちで3月末を会計期末とする銘柄とし、高配当の基準はTOPIX構成銘柄の配当利回り上位25%点を超える銘柄(過去5年平均では2.5%程度)とした。配当データは、予想データが取得可能な銘柄は12ヵ月先予想配当を用い、それ以外は実績値で代用している。また、パフォーマンスの計測は、配当調整済み株価(配当落ち分はリターンに反映されない)を使用した。

これに基づき、実際に2014年から2018年の5年間の3月末権利付き最終売買日の前後20営業日の値動きを平均したものが、以下の図表である。

図表:過去5年間の配当アノマリー効果

拡大画像表示出所:Datastream

権利落ち日から逆算して17営業日前から株価が上昇軌道に乗り、特に10営業日前から権利付き最終売買日の前日(権利落ち日の2日前)までの期間は安定的だ。

ところが、権利落ち日を迎えると、今までの上昇が嘘のように急に売られ始める。繰り返すが、この下落分には配当落ちは含まれず、現実の売りによるものだ。そして、その後も10営業日程度までは軟調な展開が続く流れとなる。