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胆管がん「余命6ヵ月宣告」から生還した患者とその主治医の全告白

トップドクターはこうして命を救った

余命6ヵ月を宣告された

「胆管が詰まって黄疸が広がり、針の一本も通らない状態です。胆管に発生した腫瘍がすい臓、肝臓、十二指腸まで絡み、もはや手術ができる状態ではありません。余命は6カ月、長くても1年と思って下さい」

胆管は肝臓で作られた胆汁を十二指腸まで運ぶ長さ約10~15センチ、太さ0・5~1センチの管。胆管が腫瘍(または結石)で詰まると胆汁が流れなくなり、うっ滞して血管内に流れ込む。そして、胆汁に含まれるビリルビンという黄色い色素が黄疸を引き起こす。黄疸の症状は、難治がんの代表といわれる胆管がんを判断する目安になるのだ。

2012年2月、750年以上の歴史を持つ東京都葛飾区にある古刹、浄土宗光増寺の42代目となる住職・桑原忠夫さん(71歳、当時)は、入院先の病院に呼び寄せられた家族とともに主治医から突然、冒頭のように胆管がんを告げられ、さらに余命宣告を受けたのだった。

2019年1月末、東京駅前の丸の内オアゾのロビーで、胆管がんの告知から丸7年が経過する桑原さんに会った。小柄だががっしりした体系、薄茶のスーツ姿の桑原さんは、やや日焼けした顔を綻ばせながら、よく響く声でこう話しかけてきた。

「体調は(病気になる)以前と全く変わりません。最近の検査でもがんはどこにもないそうです」

隣には、付き添われてきた奥さまの久美子さん(75)が穏やかな笑顔を浮かべ頷いている。桑原さんはかつて余命宣告を受けた難治がん患者から生還していたのだ。

 

「手術はできない」という医師の言葉に…

そもそも桑原さんが体の異変を感じたのは2012年11月頃。体がだるく、少し動いただけで疲れて座り込むようになり、そのうち顔や肌の色が黒澄んできた。

しかし、どこも痛いわけではなく、食欲もある。それまで医者に掛かったこともない自信から我慢し続けたが、しだいに顔色はだれが見ても黄疸を疑うほど黒ずみ、73キロあった体重は50キロ台まで減った。体を動かすことも我慢できなくなり、近くの大学病院に駆け込んだのは2013年2月のことだった。

入院してCT、MRI検査を行い、診断結果を聞いたのが冒頭の主治医の言葉だ。そして、「黄疸を消してから次の治療に進みましょう」と、入院して胆管に溜まった胆汁を排出する減黄治療を3カ月続けた。

そんな黄疸治療を終え退院する前日、「5日後に再入院を予定していますが、すでに手術はできないので抗がん剤による治療に入ります」――。手術ができないと言う医師の言葉に、桑原さんはその場でセカンドオピオンを受けたいと告げたのだった。