# スポーツ

「Bリーグ」はどうやって若者と女性のファンを増やしたのか

独自のデジタルマーケティングの秘密
葦原 一正 プロフィール

来場理由は「誘われたから」

さらに、今まで1回も来ないで、はじめて来たお客様に「なぜ来場したのか?」というデプス調査(調査専門会社によるグループインタビュー)を実施したところ、全員が最終的に「誘われたから」との回答だった。

Photo by iStock

皆さんからすると、一見、当たり前の答えかもしれないが、私にとっては衝撃だった。従来、そのようなスーパーライト層に対して、どの沿線に住んでいて、どんな媒体だと目に留まるかを分析してプロモーション活動をしていた。

しかし、それは全く無意味だとわかった。来場する理由として、最初は**選手が好きとか、**のフードが気になっていたと答えていたが、深く突っ込んでいくと、結局は、会社、家族、友人から誘われて来場していたのだ。

ライトなファン層を取り込むためのマーケティングを行うことで、新たなファンの拡大を図るのが一般的だが、私たちはライトファンの属性分析を続けていくうちに、コアファンが「誰を誘いたくなるか」「どういう情報を伝えれば誘おうと思うのか」というメカニズムを解釈することのほうが大切だと気づかされたのだ。

つまり、ライトをターゲットにする際、ライトファン分析よりコアファン分析のほうが重要ということになる。

コアなファンに試合を観てもらい、その後、周囲の人たちを誘って再び会場に足を運んでもらうという流れにするために、SNSなどライトファン向けのデザインも大切だが、コアファンが気楽にチケットを同時に多く買えて、一緒に行きたい人とシェアできる、といったような「誘いやすい」UI/UX設計をB.LEAGUE全体で意識している。

「スマホファースト」「ペルソナの設定」でB.LEAGUEのデジタルマーケティングは一定の成果が出ていると実感している。B.LEAGUEのチケット購入者の50~52%くらいが20~30歳代というのは、野球、サッカーと比べても圧倒的に若い。

なかでも入場者に対する女性比率が高く、試合を重ねるごとに、その比率は高まり、B.LEAGUEの最終試合である、1年目の年間優勝クラブ決定戦では、ついに女性の割合が過半数を超えた。

 

2シーズンを終え、入場者数は、旧リーグ時の50%増となる250万人を達成することができた。その要因の1つとして、積極的なSNS活用もあると思っている。

開設から2年間でFacebook、Twitter、Instagram、LINEのフォロアー、お友達の数が400万人を超えた。これは他のプロスポーツにはない独自のマーケティング施策と言われている。

ここでは、そのポイントを4つほどあげて解説したい。

SNS活用の4つのポイント

(1) 告知媒体としての活用

ターゲットが若年層だったことも活用理由の1つだが、「多くの人に情報を届けよう」としたときに、メディアでの取り扱いが他プロスポーツ興行と比較して少なかったということも背景にある。

とくに開幕前は、「誰も取り扱ってくれない」状態だったので、認知度を上げるには、SNSを開設して自分たちで発信するしかなかった。

SNS以外でもマスメディアでの露出量を増やすために、記者が試合会場に足を運ばずとも、ネット中継を観ながら記事が書けるように、映像や写真といった素材を自動配信する仕組みも作った。

しかし、テレビや新聞は我々では露出コントロールできないので、自社で発信力をもつ(=メディア化する)ことは当初から戦略の1つにしていた。そのため、SNSに比重を置いて活用している。

関連記事

編集部からのお知らせ!

おすすめの記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/