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「Bリーグ」はどうやって若者と女性のファンを増やしたのか

独自のデジタルマーケティングの秘密
2016年に誕生した、プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」。前体制と比較して、入場者数は50%増、リーグ売上は10倍と、他のプロスポーツを猛追している。Bリーグの常務理事・事務局長で、著書『稼ぐがすべて』もある葦原一正氏は、SNSを活用したデジタルマーケティングが功を奏していると語る。メインターゲットの若者と女性を動員するために、どんな施策を行なっているのか? 葦原氏が舞台裏を語った。

ターゲットは若者と女性

全面LEDコートでの印象的な開幕から始まり、2シーズンを終え入場者数は、旧リーグ時から50%増となる250万人を達成。その裏側には、全国700万人の「観戦意向者」のペルソナ化と、ターゲットとなる「若者」と「女性」に向けたマーケティング戦略がある。

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2015年に準備室を立ち上げた際、「新リーグを盛り上げるためにはどうするべきか」を検討し、2つの点に着目した。

着目点1  競技者人口のポテンシャル

世界でいちばん盛んなスポーツは、サッカーとおっしゃる方が多いが、実はバスケである。競技者人口でいうとサッカーが2.6億人で、バスケが4.5億人。国内においては競技者登録人口はサッカーが約90万人で、バスケが約60万人になる。

なぜこんなに多いのか? サッカーだと9割以上は男子だが、バスケは男女半々がやっている、まれなスポーツだからだ。

着目点2  観戦意向者数

競技者数でいえばバスケはサッカーの6割、観戦意向者数は推計で1500万人に対して700万人と約半分。潜在的にはサッカーの5掛けであるはずなのに、事業規模や入場者数はどちらも1割。

これを見たときに「根本的におかしい」と思った。そう、顕在化していないのである。

 

またその観戦意向者数を紐解いていくと、若い世代で高く、とくに女性が多いことがわかった。この潜在来場者となる700万人に来ていただくために、「若者」「女性」を主なターゲットとすることにした。

さらに顧客像を描くことで、ターゲットに対して訴求力のあるマーケティングを展開できるよう、ペルソナも調べてみた。

その結果、野球は1人観戦の方が多いのだが、バスケは集団観戦したいという方が多く、「家にいる」よりも「お出かけ好き」。お出かけ好きだが、睡眠は人並みにとっている。

そう、家での滞在時間が少なく、テレビはあまり見なくてモバイル派。でも雑誌は読んでいる、という方が多かった。そして情報を「収集する」というより、「シェアしたい」という方が多いということがわかった。

まとめると、1人よりも集団観戦を好み、オシャレで、お出かけが好きなアクティブな人。また、情報収集の媒体はスマホや雑誌を中心とし、流行にも敏感で、自らも積極的に発信を行うといった特徴になる。

このような人たちをターゲットにしていくにはどういった設計をしていくかと考えたときに、「スマホファースト」、つまり、興味喚起から体験共有まで一連の流れがすべてスマホでできるような世界が良いのではという結論に至った。