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ドイツ人がようやく気づき始めた中国という「貪欲国家」の実像

もしもブランデンブルク門を買われたら

ドイツ人の中国観

1月2日、3日と、新年早々二日続きで、ドイツの国営第2テレビで驚きのルポが流れた。

https://www.zdf.de/dokumentation/dokumentation-sonstige/die-neue-seidenstrasse-teil1-100.html

https://www.zdf.de/dokumentation/dokumentation-sonstige/die-neue-seidenstrasse-teil-2-100.html

タイトルは「新シルクロード」だが、サブタイトルの「Chinas Griff nach Westen」というのが、どうもうまく訳せない。英訳なら、「China's grip to the west」。ただ、Griff(grip)という言葉には、西に進出するだけでなく、支配の手を伸ばそうしている気配が示唆されているので、意訳すれば“China's grabbing”か?

日本は、距離が近いこともあり、常に中国の情報が溢れている。文化大革命の時代こそ、何が起こっているかよくわからなかったが、1972年の国交正常化のあと、80年代はシルクロードブームに沸き、中国大陸に対する憧れが膨らんだ。

しかし、そのあとやってきたのは、強引な歴史解釈による日本攻撃や、技術の盗難といった問題。そして、ここ10年ぐらいは、中国経済の破格の発展で、日本はどんどん押されていった。

それどころか、いまでは中国の膨張は経済だけにとどまらず、軍事、情報、宇宙など、多くの先端分野で日本を脅かしている。いずれにしても、私たちはずいぶん前から、中国の怖さには気づいている。

ところが、これまでドイツでは違った。中国に関しては、圧倒的にポジティブなニュースが多かった。中国とドイツの間には歴史問題もない。あるのは、古代からの神秘的で壮大なイメージと、現在のエネルギッシュな姿である。ドイツ人は中国人に対して、理屈抜きで凄い!という印象を持っているが、警戒はしていなかった。

しかも、GDPの半分を輸出に頼るドイツ企業は、ここ10年余り、年を追うごとに中国市場に依存していった。中国の機嫌を損ねない限り、ドイツはチャイナマネーの恩恵に与れた。何と言っても、ドイツ車の3台に1台は中国市場向けなのだ。

政治家は中国を丁重に扱い、メディアも悪くは書かなかった。それどころか、EUで中国が不利な扱いを受けそうになると、率先して助けていたのがドイツ政府だったのだ。

悪いニュースがないのだから、ドイツ国民が中国に対して良い感情を持ち続けていたのは当然のことだった。私が少しでも異議を申し立てれば、「日本人と中国人は仲が悪いから」と片付けられた。「日本人は中国で蛮行を働いていたくせに、批判するとは反省がない」と、自分が世界を中立に見ているかのように振舞う人もいた。

12月になると、歴史番組として「南京大虐殺」が登場し、日本の評判はいつも地に落ちた。ちなみにドイツ人ジョン・ラーベ著『南京の真実』の原題は、“Der gute Deutsche von Nanking(南京の良きドイツ人)”である。ただ、この本には、あまり「真実」は書かれていないように思う。

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