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アパレルメーカー突然の「ZOZO離れ」を騒ぎ立ててはいけない

いったいどれほどの打撃なのか

ファッション通販サイトZOZOTOWNから撤退するアパレル企業が相次いでいる。一部からは、雪崩のようにZOZO離れが進むとの見方も出ているが、ここは少し落ち着いた方がよいだろう。同社は、創業社長である前澤友作氏の派手な言動から、何かと世間の耳目を集めることが多いが、前澤氏のキャラクターと同社のビジネスモデルは分けて考える必要がある。

ツイッターの更新をやめた意味

2018年12月、「23区」などを展開するアパレルメーカー大手のオンワードホールディングスが、傘下に持つ全ブランドのZOZOTOWN撤退を決めた。オンワードに続いて「4℃」などを展開する宝飾品大手のヨンドシーホールディングス、子供服「ミキハウス」を運営する三起商行などもZOZOTOWNでの販売をストップしている。

ZOZOの創業社長である前澤友作氏は、これまでSNSで積極的な情報発信を行ってきたが、一連の退店騒動の後、「本業に集中したい」として2月からツイッターの更新をストップしている。情報発信の一時停止は、派手なプライベートへの批判を沈静化する狙いもあると思われるので、退店騒動だけが原因ではないだろう。

ただ、前澤氏のツイッター休止に株価が反応したという現実を考えると、一連の騒動が同社の経営に影響を与えているのは間違いない。一部からは、今後もZOZOTOWNからの退店が続くという厳しい見方も出ているが、ここは少し冷静になった方がよいだろう。

確かに一部のメーカーはZOZOの方針と相容れず、撤退を表明したが、同社と完全決別するメーカーは限定的である可能性が高い。今回、撤退を表明した企業の多くは、自前の販売網を構築できている。こうした企業はそもそもZOZOに依存する状況にはなりにくく、条件次第で出店、退店を検討するのは当たり前のことである。

 

アパレルは、もっとも市場の合理化が進んでいなかった業界であり、他の分野では過去何度も繰り返されてきたメーカーと小売店の軋轢を初めて経験したといっても過言ではない。

生活用品や家電といった分野は、1970年代に登場した大型スーパー、90年代以降、急速に普及したコンビニ、量販店など、10~20年ごとに流通革命が起こり、メーカーと小売店は激しい衝突を繰り返してきた。2000年以降はこれにネット通販が加わったので、対立はさらに深まっているが、その都度、両者は着地点を見い出している。

アパレルの場合、ZOZOというIT企業の登場をきっかけに、初めて合理化が進み始めたといってもよく、従来型の流通革命とIT化が同時に来てしまった。このため業界に与える影響は極めて大きなものとなっている。

しかしながら、この動きは、他業界では特段、珍しいことではなく「いつか来た道」である。ZOZOのビジネスモデルの本質を考えれば、今後の推移についても、ある程度、予想できるはずだ。