ゴルフ新ルール「抜いて打つか抜かずに打つか」それが問題だ

スコアアップの可能性も
週刊現代 プロフィール

物理学者で早稲田大学名誉教授の大槻義彦氏は、61歳からゴルフを始め、82歳のいまはエイジシュートを何度も記録している上級者。その大槻氏も10年ほど前から、仲間とラウンドする際は、ピンを抜かないという。

「ボールはピンとぶつかると2つの種類でエネルギーを失います。まず衝突によって、スピードが落ちる。そしてボールが当たってピンが震動することで、運動エネルギーをボールから奪う。重力に加えて、2つの理由でエネルギーが失われますから、余計にカップに沈む。だから有利なわけです。私の考えでは、細くてへなへなのピンのほうが、衝撃を吸収してくれます。

そもそもはピンを抜いたり差したりが面倒だという理由で始めたんです。最初は物足りない気分で違和感があるものですが、それに慣れると、今度は、ピンがないと打てなくなります。私の場合、4打くらいはパット数が違うと思いますよ」

 

まずは試すべし

そうはいっても、パットが苦手でピンに当てることさえできないから、自分には関係ないと思うアマチュアプレーヤーもいることだろう。ロングパットはなおさら、絶対にピンに当たらないと。

しかし、長ければ長いパットほどピンは差したほうがいい。立石電機(現オムロン)の研究者を経て、現在はパットを科学的に研究しているサーパスゴルフ代表の星谷孝幸氏はこう指摘する。

「視覚情報として、空間の中に立体的な目印があると、距離や方向を感知する精度が高まるんです。たとえば、目の前に電柱が立っていれば、マンホールを目印にするよりも、自分の位置からそこまでの距離や方向をより正確に把握することができると思います。これはゴルフのパットも同様なんです。つまり、目線と同じ高さにピンが見えることで、距離や方向に対して、イメージと現実のズレが少なくなるのです」

アベレージゴルファーにとって、ピンを差したままにするデメリットは一つもない。

「注意点は強風の日などにピンが曲がっていないかを確認すること。あとはピンによってライン上に影ができて邪魔な場合は抜いたほうがいいでしょう」(前出・奥田プロ)

一度はグリーン上で試してみることを本誌は強くオススメする。

「週刊現代」2019年2月2日号より