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ゴルフ新ルール「抜いて打つか抜かずに打つか」それが問題だ

スコアアップの可能性も

67年ぶりに「ゴルフ規則」が大改定された。審判員が立ち会わない紳士のスポーツであるがゆえに、プレーヤーはそれを理解する必要がある。そのうえで活用すれば、自身のスコアアップにつながる。

賞金女王・鈴木愛は抜く派

いま世界中のゴルファーが、グリーン上に立つピンで悩んでいる。

1月1日からゴルフのルールが大きく変わった。主な目的はプレーのスピードアップ。バンカーから2打罰で脱出できる、ボールの捜索時間は3分以内など、変更点はいくつもある。そのなかで、もっともスコアに関係するのが、「グリーン上でピンを抜かずにパットできる」という新ルールだ。これまではパッティングしたボールが、ピンに当たってしまうと2打のペナルティだった。

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「可能なかぎりピンを差したままパットする」

そう公言していた米国のトッププロ、ブライソン・デシャンボーは、1月3日からPGAツアーでさっそく実践した。すると、ピンを立てたままで難しい距離のバーディパットを何度もカップインさせた。

デシャンボーは、「ゴルフの科学者」という異名を持つほどの理論派。PGAツアーでは、デシャンボーほどではないが、他のプロも1~2ホールだけ、ピンを抜かずにパットするシーンがあった。

ピンに当たれば強めに打っても入る気がするし、逆にピンに弾かれて入るものも入らなくなるような気もする……どちらが正解なのだろうか?

 

ピンを抜いてから打つか、抜かずに打つか、'17年の賞金女王である鈴木愛プロは本誌にこう語る。

「これまでカラー(グリーンの縁)から打って、差したままのピンに当たったことが何度かあるんです。そのほとんどが弾かれてしまった印象があります。私はもともとオーバーするくらいに強く打つタイプなので、今年もピンは抜いてからパットするでしょうね」

昨年にツアー初優勝を果たした実力派、香妻琴乃プロも言う。

「今までピンを抜かずにパッティングをしたことは一度もありません。距離感やグリーンの見え方が変わるので、打ちにくくなるイメージがあります。ずっとピンを抜くルールだったので、急に変えると気持ち悪さが出てしまいますね。これからもピンを差したままのパットは絶対にしないと思います。グリーン周りからのアプローチの際も抜いているので、ピンを差したままカップを狙う感覚がありません」

10年以上も毎日ピンを抜いてから打ってきた彼女たちにとって、ピンを抜かないパットは違和感しかないのだろう。パットの名手で強気が身上の鈴木プロにとって、ピンは邪魔でしかない。

一方で、日本ツアーで通算6勝を挙げて現在はシニアツアーに参戦するベテランの奥田靖己プロはこう断言する。

「ピンを抜かずに打てるのは良いことばかりですよ。ピンに弾かれて入らなくなる? もともとアベレージスコアのアマチュアの方はパットをショートしがち。ピンに弾かれるぐらい強く打てたら、それは大したものです。私は今年の公式戦は、ほとんどのホールでピンを差したままパットすることになると思います。

ゴルフコースにあるパッティング用の練習グリーンのカップには、簡易的なピンが立っていますよね。プロになったときから、そのグリーンのほうが入りやすいと私は感じていました。上りのパットなら、わずかな曲がりを気にせず、しっかり打って、ピンに当てて入れることができる。

下りでは、ピンに当たれば入らなくてもオーバーする距離を少なくすることができる。強めに打てるようになる心理的なメリットは大きいですよ」