だから「外国人献金」は繰り返される…保守派が指摘しない「抜け穴」

抜本的対策はないのだろうか
井戸 まさえ プロフィール

外国人献金を確実に排除するシステム

では、外国人の献金を確実に排除するシステムとはどういうものだろうか。

最も簡単なのはマイナンバー通知カードの写しの提出だ。外国人の場合は「外国人住民の区分」欄や「在留期間等の満了の有無」を記す欄があるため、外国人であるか否かがわかるからだ。

すべての献金者に対し初回の献金時にマイナンバーの写しを献金先の政治家事務所、もしくは選挙管理委員会に提出するように求めれば、外国人からの献金は防げるだろう。

しかし、そう数は多くはない、もしくは限りなくゼロに近い外国人献金を見極めるためにマイナンバー通知を提出してくれというのは、日本人献金者にとって負担であろう。政治献金をするのに個人情報を出さねばなったら、献金者は大幅に減るだろうことは予想される。

後述するように、収支報告書の住所欄の記載が簡略化されてプライバシーが守れるとか、わざわざ寄付金控除の書類を待たないと確定申告できないところがマイナンバーを報告した瞬間に控除が反映され還付金が戻る等の利点があれば、導入は進むかもしれないが、抵抗はあるだろう。

ただ、最近ではインターネットを通じクレジットカードでの献金等もできるようになっているため、海外在住者からの献金等に対しても対処して行かなければならない。

となると、やはり身分証の中でも、日本国籍か否かがわからない運転免許証等ではなく、パスポートやマイナンバーといったものでの確認は必要かもしれない。

ただ、パスポートの場合は二重国籍かどうかまでは場合はわからない。政治献金は日本国籍を持っていればできるが、同時に外国籍を持っている場合も排除されない状況になっているのだ。

欧米のように永住権を持っている人は可能にすべきなのかも含めて、「外国人献金」を議論する際は考えなければならないだろう。

 

さらされる寄付者のプライバシー

見てきたように、政治資金収支報告書は5万円を超える(50001円〜)の寄付者については氏名、現住所、職業を報告することを義務づけており、その内容はネット公開される。

寄付者の住所は勤務先等は不可で、基本住居地=自宅の住所となる。このため政治献金をすると自宅の住所が世界に対して公開されることとなる。何丁目、何番地、部屋番号まで。

実は政治資金収支報告書は今時、手に入らないお宝情報が満載とも言える。

果たして寄付者の住所の詳細まで公開しなければならない必然性はあるのだろうか。せめて市区町村までで十分なのではないか。住所の公開はプライバシーの問題とも関わり、また犯罪等にもつながりかねない。

ネット時代が到来する以前は、こうした情報にアクセスするのは都道府県庁等の選挙管理委員会に行って紙で保管された収支報告書を見に行かなければならなかった。誰もが瞬時にみられるものではなかった時代と今と同じ扱いで良いのであろうか。

外国人献金についてはもちろん、関連する寄付者の特定や公開などの個人情報の観点等も含めて、見直されなければならない時期にあるのではないかとも思う。

【参考】
桐原康栄「欧米主要国の政治資金制度」(国立国会図書館『調査と情報』第454号 )
 

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