だから「外国人献金」は繰り返される…保守派が指摘しない「抜け穴」

抜本的対策はないのだろうか
井戸 まさえ プロフィール

保守派が指摘しない「5万円以下ルール」

さて、話を日本に戻す。

政治資金収支報告書を作成した経験がある一人として、辻元氏の政治資金収支報告書を見て驚いた。

通常、政治資金収支報告書には年間5万円以下の寄付者の場合、名前を出さずに「その他の寄付金」としてまとめるケースが多いのだが、月1000円、2000円といった入金や、小額単位の寄付者も氏名の記載等も細かく報告されている。

 

今回問題となった外国人による寄付金も1万円。もし外国人献金を意図的に受けようと思うなら、氏名を出すことなく「その他の寄付金」に合算するという"技術"を使えば、誰が気づくこともなくそのまま献金を受けとることはできたはずのものだった。

献金者の氏名等が記載し、公表されていたからこそ発覚につながったわけで、ある意味、政治資金規正法と収支報告書の意義を理解して、誠実な収支報告書を作成していたとも言える。

政治資金収支報告書の趣旨を考えれば、こうして記載を行なったからこそ、返金もしくは後援会費への訂正ができたのだ。

〔PHOTO〕iStock

一方で、氏名を記さない「5万円以下献金」については寄付者が外国人であるか否か等のチェックすることは、収支報告書をみただけではわからないし、調べようもない。

例えば外国人が複数の名前を使って実質複数口、多額の献金をすることも十分に可能である。

その場合、偽名を使ったとしてもわからない。また、政治資金規正法上は寄付に年齢制限はないから例えば5歳児でも10歳児でも寄付行為は「合法」である。こうみてくると、少なくとも「選挙人名簿に登録された個人」といった規制は必要ではないかと思う。

ちなみに、「5万円以下献金」でも寄付金控除を受ける場合は氏名等を届け出ることが必要なのだが、外国人献金をあえてする場合は、控除目的でないだろう。氏名等が公開されないとなると、無限に悪用できるということになる。

本気で外国人献金を防ぐなら、問題を矮小化し、特定政治家をターゲットしたように捉えられかねないような問題提起ではなく、この「5万円以下献金」にこそ法の抜け道があるということを指摘し、対策を打つべきである。

外国人献金に敏感な論客たちが「やりたい放題」となっている制度上の欠点について言及しないのはとても不思議に思う。

関連記事