ロバとモロッコを1000km旅したときの写真

20代の日本人冒険家が「ピグミー族と自給自足生活」の旅に行くまで

3年前、アフリカで途方に暮れていた…

知り合いがいない土地でたった一人

2016年4月。

西アフリカのカメルーンで、おれは途方に暮れていた。

今夜泊まる場所のアテはなく、力を貸してくれるような知人もいない。

黒い肌にカラフルな衣服を纏ったカメルーンの人々が行き交う中、おれはできるだけ目立たないよう道路の隅に腰を下ろし、今後どうすべきかを考え始める。

そもそもおれがカメルーンに渡航したのは、ある日本人女性と暮らすことになっていたからだ。

当時おれと非常に親しい仲だったその女性は、諸事情によりしばらくカメルーンの村に住むことになっていたので、おれも一緒にカメルーンへ行くことになったというわけだ。

しかし一緒に暮らし始めてみると、彼女のだらしない部分が浮き彫りになったため一気に気持ちが冷めてしまい、結局ものの数日でおれは彼女の元を去ることになってしまった。

あまりに早い決断だったかもしれないが、冷めてしまった以上、このまま一緒に暮らすのは時間の無駄だ。そう考えたおれは、ひとまず彼女の暮らす村から首都ヤウンデへ戻ることにした。

といっても、首都へ戻ったところで当然ながら知り合いは誰もいない。これからどうしようか悩んでいる状況だった。

日本へ帰る気にもならないし、他の国へ行こうか……。

すでに当時、冒険家として生きることを決めていたおれには、北アフリカのモロッコで実現したい冒険があった。ロバに荷車を引いてもらい、野宿しながら歩いて旅をするという冒険だ。

コンセプトは行商人。中世や近世を生きた行商人のように、道中何かを売りながら気ままに野宿旅をするという生き方に、おれは憧れていた。今からモロッコ行きの航空券を買えば、すぐにでも冒険の準備を始めることができるだろう。

 

しかし同時に、今すぐモロッコへ行く必要はないとも思った。

カメルーンのビザがあと3ヵ月弱残っている。カメルーンはビザの取得が比較的難しい国なので、情勢などによっては次回はすんなりと取れないかもしれない。

ここへ来たのも何かの縁かもしれないので、ひとまずカメルーンで暮らしてみて、それからモロッコに行く方が良いのかもしれない。

今すぐでなくとも、モロッコへはいつでも行ける。……ロバとの冒険は、逃げない。

よし! とりあえず、カメルーンで暮らしてみよう!!