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どこまでも「超強気」のトランプが5月に安倍総理に要求するもの

外交でも国内でも保守強硬で突き進む

なぜここまで「アグレッシブ」なのか?

ドナルド・トランプ米大統領が外交に前のめりになっている――。2月27~28日、ベトナム中部の都市ダナンで北朝鮮の金正恩労働党委員長と会談する。昨年6月のシンガポールでの米朝首脳会談に続く2回目の会談となる。

トランプ大統領はその後、中国・海南島に向かい2月29~3月1日まで同地に滞在、習近平国家主席との米中首脳会談を行う可能性が高いとされてきた。

しかしトランプ大統領は7日(米国東部標準時間)午後、ホワイトハウスで記者団の米中貿易協議の期限である3月1日までに首脳会談を行うかとの質問に対し「行わない」と答えた。予想していなかったことだ。事実、米中貿易協議不調に嫌気した8日のNY株式市場のダウ平均株価は約269ドル安の2万5121ドルで引けた。

ただ、同発言は米中首脳会談を前にトランプ大統領が習近平国家主席に対する圧力を狙ったもので、期限のグリニッジ標準時間2日午前5時1分(米東部標準時間同0時1分)までに米中貿易協議が妥結しない場合、2000億ドル相当の中国からの輸入品に対する関税を現行の10%から25%に引き上げることを改めて中国側に周知徹底するためだ。もちろん、トランプ大統領のブラフ(脅し)である。そうだとしても、米中首脳会談が実現しないこともあり得る。

 

それにしてもなぜ、かくもアグレッシブな外交を展開するのか。それには理由がある。トランプ大統領は2月5日(同)夜9時から1時間22分、ワシントンDCの連邦議会議事堂(上下両院合同本会議)で2019年一般教書演説(日本の首相が通常国会召集冒頭に行う施政方針演説に相当)を行った。

一般教書演説を行うトランプ大統領のうしろに控えたペンス副大統領とペロシ上院議長(photo by GettyImages)一般教書演説を行うトランプ大統領のうしろに控えたペンス副大統領とペロシ下院議長(photo by GettyImages)

だが、何時ものハチャメチャな”トランプ節”が鳴りを潜めた無難なスピーチに終始したのだ。良くも悪くもトランプらしさが無いものだった。

昨年末から35日間続いた政府機関一部閉鎖問題で国民だけではなく政府職員の不評を買った後遺症が残っているため、野党・民主党に対し融和を呼びかけた上で同党が反対しにくい全米各地の老朽化したインフラ整備や医療費負担の軽減に言及するなど超党派協力路線を前面に押し出したのだ。

ワシントンの政治エリートたちの間では、「やろうと思えば、トランプは妥協もできるのだ!」と、皮肉を交えた評価が高まったという。